2017/10/09

キヤノン用フルサイズ標準ズームレンズ対決!! 



フルサイズに最適なレンズとは?

カメラファンなら一度は手に入れたいのがフルサイズカメラだ。
35mm判のフィルムと同じ大きさのセンサーを持つフルサイズセンサーは高感度やダイナミックレンジの点でより小さいセンサーより有利になる。
しかし、その分使うレンズもそれなりの性能が求められる。


私が持っているCanon 1Ds MarkⅢもフルサイズセンサーを搭載するキヤノンのフラグシップ機だが、レンズはこれから揃えていく段階だ。
今回は恐らく一番使う機会が多い標準ズームレンズについて、それぞれのレンズの特徴を吟味し、最終的には購入する候補を検討していきたい。


比較対象レンズ

  • CANON EF24-70mm F2.8L II USM 
  • CANON EF24-70mm F4L IS USM 
  • CANON EF24-105mm F4L IS II USM 
  • TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A032)
  • SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM Art
  • SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM Art

今回の比較対象は最初の画像にもある6本。
「Canon」「TAMRON」「SIGMA」からF2.8、F4通しの標準ズームをチョイスしてみる。
先に書いたが、フルサイズ用レンズはそれなりの性能が求められるが、純正及びサードメーカー共にいいレンズを選ぶと必然的に明るい「F2.8通し」や「F4通し」になる。
これは別に明るいから良い性能を出せるというわけでなく、単に需要の問題でフルサイズ用のいいレンズを求めるユーザーは明るいレンズを欲するということにすぎない。

しかし、高解像度かつ明るいレンズを設計するとなると必然的にレンズは大きく、重くなり、そして値段も上がる。
「フルサイズカメラはボディが買えてもレンズまでは手が回らない」や「ボディもレンズも大きく重くなるから持ち出す機会が減ってしまう」など性能がいいのは確かなのだが、様々なハードルがあるのもフルサイズの特徴だ。


主な仕様の比較

製品名EF24-70mm F2.8L II USMEF24-70mm F4L IS USMEF24-105mm F4L IS II USMSP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A032)24-70mm F2.8 DG OS HSM Art24-105mm F4 DG OS HSM Art
メーカーCanonCanonCanonTAMRONSIGMASIGMA
レンズ構成13群18枚12群15枚12群17枚12群17枚14群19枚14群19枚
絞り羽枚数9枚9枚10枚9枚9枚9枚
最短撮影距離0.38m0.2m0.45m0.38m0.37m0.45m
最大撮影倍率0.21倍0.7倍0.24倍0.2倍0.21倍0.22倍
手ブレ補正機構なし約4段分約4段分約5段分約3.5段分約4段分
フィルター径82mm77mm77mm82mm82mm82mm
サイズ88.5x113 mm83.4x93 mm83.5x118 mm88.4x111 mm88x107.6 mm88.6x109.4 mm
重量805g600g795g905g1020g885g
発売時期2012年2012年2016年2017年2017年2013年
最安価格(価格コム参照)¥179,437¥107,800¥125,238¥110,029¥136,800¥75,800


発売年度でみるとSIGMA 24-70mm F2.8、TAMRON 24-70mm F2.8、Canon 24-105mm F4、SIGMA 24-105mm F4、Canon 24-70mm F2.8、Canon 24-70mm F4となる。
SIGMAとTAMRONの24-70mmは今年発売の最新レンズだ。

TAMRONの24-70mm F2.8は旧モデルA007のマイナーチェンジ版でレンズ構成は旧モデルと変わらない。
ただし、コーティングと手ぶれ補正機構が強化されており、より汎用性の高いレンズへと昇華された感じだ。

SIGMAの24-70mm F2.8モデルは久しぶりのモデルチェンジとなるのだが、性能評価は各サイトで厳しい評価である。

キヤノン純正レンズはLレンズの標準レンズとしては、24-70mm F2.8L Ⅱ、24-70mm F4L IS、24-105mm F4L IS Ⅱの3本。
24-70mm F4L IS、24-105mm F4L IS ⅡのF4通し2本は手ぶれ補正機構が搭載されており、汎用性は高いが描写性能の評価は良くない。
一方、24-70mm F2.8L Ⅱは手ぶれ補正機構こそ付いていないが、描写性能は大変良く、このクラスでは最高スコアの評価を得ている。


DxOmarkスコア比較

テスト機は1D X Mark ⅡEF24-70mm
F2.8LII
EF24-70mm F4LEF24-105mm F4LⅡ
DxOMarkスコア 282221
解像力 16P-Mpix15P-Mpix13P-Mpix
透過3T4T4.4T
歪曲0.4%0.2%0.5%
周辺光量落ち-2.1EV-1.3EV-1.9EV
色収差16μm8μm5μm
テスト機は1D X Mark ⅡTam 24-70mm F2.8 VC A007SIG 24-70mm F2.8 SIG24-105 F4 Art
DxOMarkスコア 272225
解像力 16P-Mpix17P-Mpix16P-Mpix
透過3T3.5T4.2T
歪曲0.3%0.3%0.6%
周辺光量落ち-1.5EV-1.5EV-1.5EV
色収差6μm30μm11μm

センサーやレンズの性能テストを行っている有名なサイト「DxOmark」でのスコア比較も見ていこう。
ただし、2017年発売の「TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A032)」と「SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM Art」のテスト結果はないため、いずれも旧型の物を載せている。
「TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A032)」については旧型とそう変わらないスコアが出て来るだろうが、「SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM Art」については久しぶりのモデルチェンジとあってスコアは大分改善されているはずなのでその点も注意していきたい。

スコア結果だけ見れば一番高い数値を示しているのが「CANON EF24-70mm F2.8L II USM」である。
これは多くのレンズレビューで語られているが、現存するF2.8標準ズームの中でも一番優秀なテスト結果を残している。
ただ周辺光量落ちや色収差はライバルに比べ、劣る結果となっている。
解像力も1世代前のSIGMA 24-70mm F2.8には負けている。

続いて性能がいいのは「TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD」。
これは最新モデルの1つ前のA007の結果であるが大変優秀なスコアだ。
CANON EF24-70mm F2.8L IIには劣るが、ニコン純正と比べたら遜色ないスコアで値段は純正レンズの半額程度とコストパフォーマンスはいい。

F4通しはいずれもF2.8通しのレンズと比べ、スコアが伸びない。
値段が安い分作りもそれなりと考えたほうが良いだろう。
特にキヤノン純正はスコアが22前後であり、純正に拘らなければSIGMA 24-105mm F4を買うという選択肢も悪くない。



私が選ぶベストな標準ズーム

EF24-70mm F2.8L II USM 



やはりキヤノンのフルサイズボディを使用するなら、選ぶなら純正のEF24-70mm F2.8L II USMがベスト!!
最近はサードメーカーも頑張っており、純正レンズと遜色ないレベルのレンズをポンポン出してきているが、キヤノンのF2.8通しの純正はまだ他社より一歩秀でている。

ただ値段も高く重くデカイ。
また、他のメーカーでは当たり前のように搭載している手ぶれ補正機構が搭載されておらず、暗所での撮影では他社の方がいいかもしれない。



TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A032)



純正は値段が高く、手ぶれ補正機構も欲しいという方にはこちらがオススメ。
旧型のA007の頃から純正を凌ぐと称されたレンズだが、それがデザインを一新し発売された。
新しくなったコーティングにより強力になった手ぶれ補正。

前の安っぽいデザインも大分マシになったのでかなりお買い得だと言える。
価格は現在の価格コムの値段で比べるとキヤノン純正18万円に対し11万円ほど。
恐らく来年には10万円を切るくらいの値段になっていると思われ、コスパは大変高い。

写りを優先するなら上の2つが私が選ぶベストレンズである。
ゆう
ゆう

旅行とカメラが趣味のゆうが撮影した写真をただただ紹介するだけのブログです。頑張って更新していきます。

2 件のコメント:

  1. 近々中古でNC2 ロードスター 2.0 RSを購入する予定(契約してきました)なので、ロードスターの記事をさまよっているうちにたどり着きました。と思ったら、キヤノンをお使いで、ライカも使っていらっしゃると言うことで・・・

    DxOMarkのレンズスコアはちょっと読み方が難しく、彼らのテストでおそらく最も良いパフォーマンスが出る画角での比較で、例えばEF24-70/2.8LIIだと35mm F2.8、EF24-70/4LISだと25mm F4のスコアの比較となって何を見ているのかよく分かりません。あとF4のレンズはどうやってもスコア上F2.8のレンズには勝てない(Transmissionの比重が高い)ので、比較するのは難しいと思っています。性能上当てになる測定結果は同一カメラでのSharpnessの値でこれを画角/F値ごとに見た方が良いのですが・・・具体的な数値が出てこないので、FieldMapの色で見比べるしか無いかなと思っています。一般的に標準ズームの場合は広角側の性能が出るようなチューニングが成されていることが多いので、丁寧に見ていくことをお勧めします。

    あと解像度が異なるカメラでSharpnessの値の比較を行い、リニアーに伸びない物は選定から外しても良いのかもとも思っています。(スコアので比較では無く、個々の測定値の比較であれば使えるだろうとは思っています。)

    とは言うものの、手ぶれ補正が無いと言うことを除けば使ってみた印象でもきちんと調整されているEF24-70mm F2.8LIIが抜けているのは確かで、ただ手ぶれ補正という物は絞り開放でも、F8でも同様に効くという点で実用的ですから用途によるとは思います。EF24-70mm F2.8LIIはやはり使っていると若干性能が狂うようで、定期的にOHした方が良さそうです。と言ってもおそらく5年使用後とかで良いと思いますが、うちの個体は最近カメラを買い足したときにやったAF精度調整の際に直すことをお勧めされました。(他はどうだか知りませんが・・・)

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    1. コメントありがとうございます。
      DxOmarkのスコアはあくまで参考程度にしかみてませんが、客観的データに基づく比較というのがレンズは難しいですよね。

      あと最新レンズだろうと使っていくとやはり若干性能が狂うのですね・・・。
      今はAF精度調整も結構な額を取られるので悩ましいものです。
      少し前まで1Dsのセンサークリーニングのついでにレンズ持ってくと簡単な清掃などしてくれたのですが、それもなくなったようで悲しいです。

      ロードスターNC2はほんといいですよ。
      もうこれ乗ってると他に乗り換えが選べません。
      それくらい気持ちよく乗れる。
      最近は車のことはあまり書いてないですが、基本的に撮影地に行くのは全部ロードスター走らせていってますからねぇ。
      カメラ撮影の良い相棒です。

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