この桐箪笥は本当に高級品か?!
インターネットで調べた情報を元にこの桐箪笥の素性を色々調べていきましょう!!
まずこの桐箪笥ですが、上台、中台、下台の三分割にでき、中台に衣裳盆が入る「和タンス」と呼ばれるタイプの箪笥です。
サイズは幅122×奥46.5×高178あり、幅は実家のタンスより30cm程度広くなってますね。
これは尺貫法で言うと4尺の幅があります。
一番上の棚には小引き出しが2つあります。
高さが178cmある箪笥ですので、この棚を使うのは小柄な女性には少々難しいです。
昔の男性も平均身長が今より低かったと思いますが、この手の箪笥を使うときは踏み台必須だったんですかね?
どっしりとした重厚感のある型ですね。
最初は私もこの四方丸のタイプがシンプルで欲しかったんですけど、胴丸もこれはこれでいいですね。
胴丸みたいな造りを持つ桐箪笥はそれだけで高級そうに見えますが、実際はどうなんでしょうね?
ちなみに前回のブログであげたような高級桐箪笥のブランドだと一番上の引出しのところに
でもこの桐箪笥、どこにも銘を示すシールや印字がないんですよね・・・。
まさに「君の銘は。」状態。
一体君はどこの桐箪笥なんでしょうねぇ?
ただ、その造りは確かなはず・・・。
もう少し細かいところを見ていくことにしましょう。
高級ポイント1 ゆたん
漢字で書くと”油箪”と書くそうですが、桐箪笥を日の光や汚れなどから守るカバーのことです。
この桐箪笥にはキレイな緑色のゆたんが付属していました。
真ん中には桐紋が書いてあり、横には房紐がついており結構豪華な作り。
安物の桐箪笥ではまずお目にかかれない・・・と思いますがどうなんでしょ?
私自身も”ゆたん”という言葉は初めて知りました。
これだけ見てもこの桐箪笥は”只者ではない”と感じ取れるのではないでしょうか。
高級ポイント2 装飾
房紐も金と銀で豪華ですよね。
ちなみに房紐には買ったときのものであろうフィルムがまだ付いておりました。
恐らく前の所有者は本当に大切にこの箪笥を使っていたんでしょうね。
手垢で汚れ内容定期的に拭き掃除をしましょうかねぇ。
鍵穴のカバーは楕円形でシンプルです。
箪笥の角もこのように飾り付けされております。
小さな釘で止められているのですが、実はこの釘1本抜けているところがありました。
恐らく湿度や気温で木が膨張収縮を繰り返し釘打ちが甘くなったところで、ゆたんをめくるときに引っ掛けて釘が取れてしまったのでしょう。
また、家に設置して気付いたのですが、釘の1本は取れかかってさらに曲がった状態でした。
なんとか釘をまっすぐ伸ばし、元通り打ち付けましたがもう1本分の穴はどうしましょう・・・。
ちなみにYou Tubeの動画ではこのような金具の豪華さは商品価格を占める比率としては微々たるものらしいです。
ですので、やろうと思ったら安物の箪笥にも豪華な金具は付けれると。
ただ、そういった金具を扱っているお店と言うだけでも高級箪笥店でしょうし、そこの店の言う安物の箪笥というのも恐らく100万円以下の商品ですから、わたし的には十分高級品です。
高級ポイント3 使用木材
桐箪笥に使用される桐材は木目が細かくなるほど高級な素材なんだそうです。
国内桐材であれば東北地方、福島県の会津桐なんかが良材とされているそうです。
これはなぜかというと寒い地方で育った桐の方が木目が詰まって硬く、強度が高くなるんだとか。
木目の細かさについては実家の桐箪笥と比べてみると一目瞭然です。
実家の桐箪笥は木目が太いですが、ヤフオクで手に入れた桐箪笥は木目が細いですね。
また、側面に使用されてる胴板と呼ばれる木材の厚みですが、実家の桐箪笥は17mm程度となっています。
実際、一般的な桐箪笥の胴板の厚みは20mm程度です。
しかし、今回買った桐箪笥は50mm程度の厚みがあります。
およそ2倍以上の厚みですな!!
ネットで調べても高級桐箪笥で胴板が40mmや45mmで100万円以上しますから。
この50mm程度のは一体いくらになるのやら・・・。
もちろん使用されている木材が国産か輸入でも値段は変わってきますが、この仕様を見てもこの桐箪笥はかなりの高級品と見て間違いないのではないでしょうか。
ちなみにそのおかげでかなり重かったです・・・。
高級ポイント4 造り
ただ、引き出しの中には取扱説明書は入ってました。
総桐箪笥で高度の職人芸が使われた最高級の箪笥みたいですねぇ。
安い桐箪笥は金属ネジや釘、木釘などで固定されています。
また、最近は機械で組み手加工をするみたいですが、取扱説明書にもあったとおりこの箪笥は手作業で組み手を掘り出してるんでしょう。
手作業で作られた組み手の方が強度も高いらしいです。
また、上の動画を見ていただいたら分かるよう気密性も最高です。
良すぎて引き出しを閉めるときに他の引き出しが出てきてしまうという高級桐箪笥あるある(?)も見られます。
引き出しにものを入れれば引き出し自体が重くなりこんなこともなくなりますが、何もないとあっちを閉めたらこっちが開きとパズルみたいになって面白いです(笑)
上部に溝を彫り、キュッと絞り、側面は削り湾曲させた形になってます。
これは取り出しやすい!!
ちなみに実家の桐箪笥は幅935mmで引出しの内寸が900mm程度。
たとう紙がぴったし入る寸法である意味感動しました。
これで勝手に扉が開くことを防げます。
残念!!
本体側も彫り込まれて入れば、長年経っても扉が落ちてくることは防げるんだとか。
上部にある3つの小引き出しは真ん中にしか鍵がついていません。
これにはわけがあって、まず真ん中の引出しを引き出します。
蓋を外すと隠し収納が!!
俗に言うへそくり隠しとなっております。
実際にこの桐箪笥は高級品なのか?
ここまで見てきた通りこの桐箪笥は随所に高級品に使われるような仕様が見受けられました。
これを買った大阪堺市は日本を代表する桐箪笥”大阪泉州桐箪笥”の生産地でもありますし、前の所有者がどうせ買うなら地元のものをと大阪泉州桐箪笥を購入した可能性も0ではありません。
ただ、それを示すシールとかが一切ないのが気になりますね。
平成元年より大阪泉州桐箪笥は伝統的工芸品に認定されました。
なのでそれ以降に生産された大阪泉州桐箪笥には伝統的工芸品のシールが貼られているものと思われます。
ですので、この桐箪笥がそれ以前に買われたもので、自宅で丁寧に油箪を掛け使われていたとしたら・・・。
もしかしたら掘り出し物かもしれませんね!
というわけで、今回は1万円で購入した桐箪笥のレビューでした。
この箪笥はこれから丁寧に使っていこうと思います。
ではでは。
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