タムロンの大三元レンズ「SP 70-200mm F2.8 Di VC USD」が届いたので今回はこのレンズについてレビューしていきたい。
箱を開封し本製品の紹介に入る前にまずはタムロンレンズに付いている各アルファベットの意味をお伝えしていこう。
本レンズは「SP 70-200mm F2.8 Di VC USD」だがこの中の「SP」「Di」「VC」「USD」にはそれぞれちゃんとした意味がある。
SP(Super Performance)
「Super Performance」レンズのことでタムロンのレンズシリーズのなかでも高度な設計思想を反映した最高峰レンズに冠される。Di(Digitally Integrated Design)
「Digitally Integrated Design」の略でデジタル一眼レフカメラの特製に配慮した光学設計のレンズのこと。最近のレンズは全てこのDiレンズになっている。VC(Vibration Compensation)
「Vibration Compensation」のことでタムロンの手ブレ補正機構の名称である。USD(Ultrasonic Silent Drive)
「Ultrasonic Silent Drive」の略で超音波モーターを表す。最近のレンズはAF使用時に超音波モーターを使用することで静粛性に優れ、高トルク・高レスポンスでスピーディーなピント合わせを実現している。
とまぁタムロンの場合は各機能をこのような名称で呼んでいるためレンズ選びの際は注意が必要だ。
手ブレ補正機構なんてニコンは「VR」、キヤノンは「IS」、シグマは「OS」になったりと会社ごとに同等の機能であっても名称を変えているため結構ややこしい。
さてこのレンズの特製も分かったところで箱を開封していこう。
このレンズにはケースなどついておらず、箱を開けたらすぐにレンズが見える。
前のモデルではケースが付属していたりしたのだが、これもコストの削減のためだろうか。
中に入っているのはマニュアルに前後のレンズキャップに三脚座。
そしてフードに本体だ。
フィルターサイズは77mm。
大三元の標準と望遠はこの77mmが多いのか今使用しているNikon 28-70mm F2.8 EDも77mmで前に使っていた80-200mm F2.8も77mmだったので使い回しができるのが嬉しい。
レンズの大きさはそこそこの大きさ。
普段からF2.8通しを使っているとこのくらいは普通に感じる。
流石に超望遠サイズになるとでっかいなぁと思うが。
USDを表す表記に距離メモリ。
やっぱこの窓が無いと面白く無いね。
レンズの横にはAF/MF切り替えスイッチとVC(手ブレ補正機構)のON/OFFスイッチがある。
ニコン純正やシグマには手ブレ補正機構も通常モードから流し撮りモードなどモード切替もできるのだがタムロンはON/OFFのみだ。
三脚座はネジを緩めることで自由に回転させることができ装着したまま仕様するならこのように左手と干渉しない位置に持ってきたりするほうがいいだろう。
三脚を使用しないならこのように取ってしまってもいいのかもしれない。
三脚座は金属製で持つとずっしり重く堅牢でしっかりした感じだ。
レンズにつけたまま使用するとこすって傷をつけたり何かに引っ掛けて危ないため私は外して家に置いておくことにした。
ズームリングとフォーカスリング。
ズームリングはすごくスムーズ。
回転角も少なく素早くズーミングできる。
フォーカスリングは適度なトルクが有りこれもまた操作しやすい。
ただ、より新しいタムロンレンズSP 15-30mm F2.8のフォーカスリングはヌルっと何の抵抗もなくスムーズに回るのに対し、こちらのレンズはなにか擦れながら回る感じ。
こういった意味でもタムロンレンズは最近目に見えてクオリティが上がっている。
このレンズも次にモデルチェンジしたときには素晴らしい感触になっているだろう。
D700につけるとこんな感じである。
フードが大きめなので全体的に大きく見える。
まさに望遠レンズ。
いかにもなスタイルだ。
バランス的にはボディがややコンパクトでグリップ性にかけるためバッテリーグリップをつけたらちょうどいい感じになるかもしれない。
さて、ここまでレンズの外観についてレビューしてきたが肝心の写りはどうなのか。
そしてこのレンズを買うときに一番気になっている手ブレ補正機構の効き具合はどうなのか。
早速夜の街に繰り出し試し撮りをしてきた。
200mm 1/8秒 F2.8 ISO100
しょっぱな1枚目から度肝を抜かれた。
いざ夜の公園で街灯近くの桜にカメラを向けシャッターボタンを半押しするが、さっきまでブレていたファインダー内の像がピタッと止まったではないか。
重いレンズを構えながら上に向けると当然ながら手ブレはしやすくなる。
しかしそんな状況下で1/8秒という低速で撮影したにも関わらず、夜の街灯に照らされた桜を鮮明に写すことができた。
等倍で見てもブレはあまり目立たない。
とは言っても端の方はブレ気味だろうが。
レビューにあった開放での周辺減光量落ちもあまり目立たない。
200mm 1/20秒 F2.8 ISO400
続いても1/20秒という低速での撮影。
本来ならISOを1600や3200程度にしてシャッタースピードを1/200秒以上に稼がないと手ブレをおこしてしまいそうな環境下でもこのレンズはピタッとブレを抑えてくれる。
これも等倍で見る限り厳密に言うとブレてはいるのだがほとんど気にはならない。
本来、カメラ撮影において手ブレをおこさないシャッタースピードの一つの指標が「1/焦点距離」秒である。
つまり、200mmのレンズであれば1/200秒のシャッタースピードでとれば概ね手ブレは起こさないであろうというわけだ。
このレンズは約4段分の手ブレ補正機能があるため
1/200秒→1段下げ→1/100秒→1段下げ→1/50→1段下げ→1/25秒と4段分シャッタースピードを下げても手ブレを起こさず撮れるはずである。
今回の撮影でも概ね4段分、厳密にみるなら約3段分くらいはキチッと手ブレ補正機能が働いてるといえるだろう。
200mmの望遠使用時でも1/50秒程度で撮影できるのは本当に強みになる。
このレンズを買ってよかった。
75mm 1/8秒 F2.8 ISO200
続いてワイド側も見てみよう。
75mmで1/8秒で撮影した写真。
しかし、このレンズは本当によく写る。
なんというか写真に透明感があり、花ビラ1枚1枚までしっかり解像している感じだ。
等倍で見た感じこのくらいまでならブレを感じさせずに撮れそうだ。
ただ、厳密に言えばちょっと甘いのでキッチリブレを抑えたいならもうちょっとシャッタースピードを上げるべきであろう。
特に屋外の場合、風などで被写体自身が動いていることもありシャッタースピードはある程度上げていかないと今度は被写体ブレが起こってしまうからだ。
75mm 1/20秒 F2.8 ISO400
先ほどと同じ構図でシャッタースピードを上げて撮影してみた。
先ほどと同じ構図でシャッタースピードを上げて撮影してみた。
このシャッタースピードまで上げれば等倍でもぶれていないように思える。
70mm 1/10秒 F2.8 ISO800
結構くらい場所を写すと流石にこのレンズもAFが迷う。
純正レンズとの差はそこだととあるレビューに書いてあったが、ここまで暗いと純正でも迷う気がするのだがどうなのだろう。
しかし、ここまで暗い環境でもISO800で撮影できるとは、レンズの明るさと手ブレ補正機構サマサマである。
70mm 1/15秒 F2.8 ISO1600
D700の高感度性能とこのレンズの手ブレ補正機能があれば夜の撮影もかなりストレスなく撮れる気がする。
室内のポートレートなどでも重宝するだろう。
というわけで今回のレビューはここまで。
次回はレンズ性能をもう少し詳しく見るために撮り比べテストを行いその結果についてレビューしていきたい。
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