青木間歩へと入る
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さて、いよいよ青木間歩に入っていこうと思う。
この猪名川町多田銀山において、この青木間歩が唯一入ることができる間歩だ。
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なぜ、青木間歩かというと単純にこの間歩の周りに青木(上の写真参照)が茂っていたから。別に吊るしのスーツが安く買えるからではない。
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さていよいよ入っていこう。坑道内は夏でもひんやりして涼しいので服装には気をつけるように。
この間歩は9時-17時の間は見学自由で、勝手に入ることが出来る。
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江戸時代などは手掘りをしていた間歩も、機械が導入されるようになるとこのように人がスッと入れるサイズの坑道になる。まさに機械様様である。
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中には所々に照明もしてあり、特に懐中電灯などは必要ない。足元もしっかり整備されているのでスニーカーなどで着ても問題ないだろうが、サンダルとかは流石にやめておいたほうがいいだろう。
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この前に言った生野銀山などに比べると規模がうんと小さい。入り口から行き止まりまで550m。
ほんとあっという間だ。
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ただ、この坑道内でも手掘りの後など確認できるので、行った際はぜひ目を凝らして坑道内を見学してもらいたい。鉱脈の後もしっかり見ることが出来き、手掘りの際はそれを追って掘り進めていったということがよく分かる。
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そして坑道を見終わったあとは、坑道横の階段から上に上がると鉱脈を手彫した跡が確認できる。この割れ目はもとからあったものではなく、鉱脈が露出していたため、それに沿って岩を掘り進めた跡なのだ。
ここで鋭い人はこの鉱脈が中の坑道の鉱脈と繋がっていることに気づくだろう。
つまり、山師は山を歩いて鉱脈がありそうな箇所を掘り進め、それを上から横から様々な角度から掘っていき鉱石を得ていたというわけだ。
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この多田銀山周辺の山々にはそんな坑道跡がいくつもあるらしい。昔から地元の人は山で遊ぶ時は決して下草などが茂ってないところには近づくなと教えられたらしい。
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そこには先程の鉱脈を掘り進めていったような亀裂や通風孔が空いている可能性があるからだ。また、虫食いだらけの坑道の上を踏み抜くとそれこそ真っ逆さまに落ちていってしまうかもしれない。
鉱山の町ならではの教えである。
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さて、青木間歩を見学した後は大露頭へと向かう。
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大露頭とはその名の通り鉱脈が露頭として地面に露出しているところである。多田銀山は明治時代には三菱が開発し、その後昭和に入ってからは日本鉱業が買収して採掘を続けた。
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しかしそれも昭和48年に閉山すると残ったのは多くの坑道と採掘施設の跡だけだ。この大露頭も左上の方に色が変わった箇所が見えると思うがそこが鉱脈となっている。
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この鉱脈も天然記念物に指定され保護されているが、昔はよくこの露頭を採掘し鉱石を採取する人が多かったらしい。一部の鉱物マニアが採取するだけならともかく、それが売れると分かると販売目的の業者まがいが根こそぎ取っていったりするので現場はますます荒れる。
悲しいものである。
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この大露頭から少し歩くと台所間歩がある。青木間歩以外はこのように立ち入り禁止となっている。
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歩いているときにレクチャーを受けたが、この谷筋に映えている植物。蛇寝御座(へびのねござ)というシダ植物だが、この植物は鉱毒にすごく強い。
本来、鉱山から採取される鉱物は生物にとって毒だ。
足尾銅山鉱毒事件と聞けば一般の人にもピンとくるだろうが、別に鉱毒事件なんて足尾銅山だけでなく、様々な鉱山で起こりうる。
この多田銀山も銀山と付いて入るが、基本的には熱水鉱床なので銅、鉛、亜鉛などの鉱物に加え金や銀などが採取される。
銅、鉛、亜鉛など毒もいいところだろう。
なので、これらの鉱物が含まれる鉱脈には基本植物は生えない。
ただし、この蛇寝御座は鉱毒にも強いので生えているらしい。
山師はそこを見極めて鉱脈を探すんだとか。
なるほど、タネを聞けば大変納得できる話でとてもためになる。
そういう視点から鉱山を見たことはないので、今後は植生についても勉強していきたいものだ。
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関西で瓢箪と言えば、当然豊臣秀吉だがこの間歩はその秀吉より千成瓢箪を間歩の入り口に立てることを許されたんだとか。
伝承ではこの間歩を秀吉は馬に乗ったまま入ったと言われているが、さすがに狭すぎる気はする。
ここまで来たところで今日のところは引き返した。
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帰りに用水路を覗いていくとサワガニが何匹もいた。
水がキレイな証拠だ。
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ただ、近くに食事処はないし公共の交通機関からも遠い。
地元は観光地として売っていきたいと思っているだろうが、そのハードルはなかなか高そうだ。
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