日本人のルーツ!?港川人が住まう場所 ガンガラーの谷
中本鮮魚店で天ぷらと猫を堪能したあと、向かったのがこちら”ガンガラーの谷”と呼ばれている場所。
中本鮮魚店のあった島から沖縄本島に戻り車で10分ほど言った場所にあります。
地図を拡大していただいたら分かるのですが、ここはおきなわワールド文化王国”玉泉洞”という鍾乳洞がある場所のお向かいになります。
この辺一体が石灰岩地形で鍾乳洞が点在してるみたいですね。
玉泉洞もいいのですが、今回の目的地はその近くの”ガンガラーの谷”。
ガンガラー・・・何やら不思議な響きですねぇ。
一体どんな場所なんでしょ。
駐車場に車を停め、少し向かうと大きな洞窟が口をがパッと開けてお出迎え。
どうやら受付はこの中にあるみたいですね。
なんともまぁ、おしゃれな空間。
これがガンガラーの谷 CAVE CAFEとなります。
鍾乳洞の上からポタポタと水滴が落ちてくるので、テーブル席にはすべてパラソルが備え付けられております。
このガンガラーの谷を見学する場合は全て予約制。
前日までに必ず予約してくださいね。
カフェの中にはあの有名なガジュマルの苗などがおいてあります。
ただ本土に戻ってもあまり大きくはならないんだろなぁ・・・。
外は蒸し暑いのですが、洞窟の中は少しひんやりしております。
また、この洞窟はただの観光地ではないのです。
見ての通り発掘調査区とありますが、なんとこの近辺の洞窟からたくさんの歴史的な出土品が産出されております。
ガンガラーの谷の見学ツアーでは沖縄が誇る豊かな自然はもちろん、この地域に眠る歴史的な価値までガッツリ教えてくれますので、個人的には超おすすめ。
ツアーが始まる時間までしばし待ちます。
時間が来たら、まずこの階段を中腹まで登り、途中にあるベンチに座ってまずは講義を聞きます。
そうこのガンガラーの谷は大昔、それこそ何千年、何万年もの昔の遺物が次々と出てきている貴重な場所なのです。
また、人骨なんかも発見されており、今後の研究の成果によっては日本の人類史を語る上では外せないスポットになるかも?!
そんなロマンあふれる話を聞いたあと、ガンガラーの谷の冒険へさぁ出発!!
ちなみにこの鍾乳洞もまだまだ成長中。
こんな感じに尖った部分に水がポタポタ落ちてきて、そのうち大きな鍾乳石となるんですねぇ。
洞窟を出たらそこはジャングル。
大きな芋の仲間の葉っぱがあたり一面に広がっております。
ずーっと階段を降り、坂の下まで来ました。
やっぱり本土で見る植生と違うなぁ。
だって向こうじゃこんな感じに枝から木の根が垂れ下がったりはしてませんもん!!
なるほどこれが沖縄なんですねぇ。
ちなみにツアーは2kmくらいなので小さなお子様でも楽しめると思います。
ただ坂や階段は結構あるのでしっかりした靴を履いてきたほうがいいかも。
今回のガイドは若い男の人でしたが、この人がまた面白い。
沖縄の魅力、ガンガラーの谷の魅力をこれでもか!!というほど語ってくれます。
例えば、私たちでは絶対気づかないような小さなカタツムリを教えてくれたり・・・
遠くに見える崖。
実はあれは洞窟が崩れてできた岸壁で、実はこの谷は昔洞窟であり、その天井部分が崩れて今の谷になったんだとか。
聞いてて飽きないですよね。
ですが、写真をパシャパシャ撮ってたら先頭から遅れてそういう話を聞き逃しそうになっちゃったり。
そんな感じに楽しく歩いていたのですが・・・。
急にザザーッと雨が降り出してきました!!
いやーまいりました。
今日は絶対降らんだろうと思って傘なんて持ってきてません。
だってさっきまで快晴だった・・・今も青空見えてるやん!!って感じなんですけど大粒の雨が容赦なく体を叩きつけます。
別に濡れるのは気になりませんが、カメラが濡れるのは勘弁・・・。
多少の雨で壊れるようなやわなカメラは持ち合わせていませんが(こういうときはニコンとライカの信頼性が頼もしい)、それでもカビや故障の原因になる可能性はありますからねぇ。
奥の洞窟で雨宿りです。
ここで素敵アイテム登場!!
オイルランタンです。
ちょっと臭いけどLEDにはないほんのりとした温かみのある明かり。
これはいいですね。
普通こういう観光用の洞窟って洞窟に照明つけちゃったりしますが、ここはそんなことはしていません。
真っ暗な中みんなでランタンを持って歩いていきます。
また、LEDじゃないのも信頼性が高いからでしょうね。
普段はこの洞窟前の道具箱に仕舞っているっぽいのですが、電気製品だとずっとおいてると壊れちゃうかもしれませんし、電池の管理も大変ですものね。
この洞窟は古来から子宝祈願に使われていたんだとか。
奥まで行ったらまた引き換えしていきます。
途中なんの変哲もない岩のくぼみがありましたが、ここから人骨が出土したんだとか。
昔からここで人が生活を営んでいたんでしょうね。
洞窟の外に出ても雨はまだ止みそうにありまえん。
傘を借りて散策を続けることにしました。
ここからは階段を登っていき、トンネルを抜け大きなガジュマルがある場所まで行きます。
雨の音を聞きながら歩いていくのもたまにはいいもんです。
カメラさえなかったら安心して歩いていきますが、懐に入れ身をかがみながら歩いていきます。
そしてこちらがトンネルです。
上には国道が通っております。
このトンネル、中に皆さん入ったらガイドのお兄さんが昔話をしてくれました。
昔々このあたりにはいくつも洞窟があり、この周辺にもそこの見えない洞窟がありました。
一体どこまで穴が続いているのだろう?
近所の子供達は気になり、洞窟に石を投げ入れます。
ヒューーーガラガラガラ・・・・
ヒューーーーーガラガラガラガラ・・・・
石を投げ入れるとどこまでも石が落ちていく音だけが響いてきます。
ガラガラガラ・・・・・
それで地元の人はその洞窟をガンガラーの洞窟と呼ぶそうになったそうな。
そう!ガンガラーの谷のガンガラーというのは石が落ちていく音だったのです!!
ちなみにもともとガンガラーの洞窟を呼ばれていた洞窟も、道路開発などでなくなっちゃったらしいです。
ですが、このツアーを提供している会社の社長さんが、地元の方が使っていた言葉をなんとか残したいと、このあたりを”ガンガラーの谷”と名付けたんだそうです。
なんとも情熱的な社長さんですよね。
そしてトンネルを抜けると・・・。
これが森の賢者”大主(ウフシュ)ガジュマル”の木です。
沖縄の人はガジュマルの木をすごく神聖視していますよね。
古いガジュマルの木にはキムジナーという精霊が宿っているとか。
ですがこの荘厳な姿を見たら、誰だってこの木には何かあると思わずにはいられません。
そしてガジュマルの前でみんなで代わる代わる記念撮影をしたら、展望台へと登っていきます。
こちらが展望台です。
木の上に作られており、結構高いです。
こんな感じで足元から木がこんにちはしていたり。
面白いですね。
うーんいい眺め。
向こうの方に橋が見えるのですが、その付近のフィッシャー(岩の亀裂)から大変貴重な人の全身骨格が見つかったんだそうです。
事故で滑落したか、埋葬のために穴に落としたか。
それでも全身完璧に残っているのは貴重ですよね。
最後はこちらの洞窟で最後の講演を聞いてツアーは終了です。
こちらの洞窟には石室があり、埋葬された人骨が見つかったんだとか。
それらの人骨は港川人(みなとがわじん)と呼ばていて、日本人のルーツなんじゃないかともいわれているそうな。
ちなみにこの洞窟には土器や調理跡なんかも見つかっており、湊川人はこういった自然地形を生かして生活していたんじゃないかと言われています。
ちなみにこちらが湊川人復元図。
もともと右の顔だったのが、あれ?最近雰囲気変わった?って感じのイメチェンを果たしたのが左側です。
いわゆる縄文人!!って感じの顔からちょっとワイルドになってますね。
書き手の好みかしら?
まぁ、そんな感じでガンガラーの谷ツアーは終了です。
解散はガンガラーの谷の向かいにある、おきなわワールド文化王国の敷地内でとなります。
こっから道路を渡って再びガンガラーの谷側の駐車場まで帰らないといけません。
ですが、帰る途中さっきの若いガイドさんと色々話ができました。
元々は沖縄の人じゃなく関東から引っ越してきたんだとか!?
何でもバイトでここの仕事を始めたら社長の人柄に惚れ込んで就職決定!って感じだったんですって。
さっきも書きましたが、ここの社長は結構情熱的な方なんです。
ガンガラーの名前を残すためにこの場所をガンガラーの谷と命名したり。
このツアーだって、沖縄がアメリカから返還される際、今後はどんどんあたりが開発されこの土地もなくなってしまうかもしれない。
そうならないためにも維持管理をしないといけないがお金がないなら維持管理もできない。
なら、ツアーをやってみんなにこの土地の素晴らしさを広めつつ、維持管理費も得れるようしたらいいんじゃないかって始めたんだそうな。
この土地には三万年前から人が暮らしこの環境を維持してきた。
なら俺らも今後三万年は保つ義務がある!という信念でガンガラーの谷の運営をやっておられるそうな。
ほんと地元愛に溢れた社長さんだと思います。
そしてそんな社長の熱い思いを誇らしげに語る、ガイドのお兄さんもとっても素敵でした。
自分の仕事にやりがいと誇りを持つってこういうことですよね。
とても楽しいツアーをありがとうございましたとガイドのお兄さんに挨拶し、次の場所へと向かいます。
いやー、沖縄ってホント人が素敵ですね。
いや前から聞いてはいましたが、いざ実感するとホント爽やかな気分になります。
今回の旅行はそういう心の浄化もできるかも(?)。
さて次の場所へ出発しましょうか。
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