ここに来るときはいつも雨
去年の11月1日。
意気揚々と加茂水族館へ向かったものの、あいにくの冷たい雨。
そして、なんとその日から施設が改装工事に入ってしまい、入館することすらできませんでした。
「まさか今日から……」
そんな悔しい思いを胸に、その日は泣く泣く引き返すことに。
あれから数か月――。
今回は、そのときのリベンジです!
しかも、連れは大のクラゲ好き。
クラゲ展示数世界一を誇る加茂水族館は、今回の新潟旅行最大の目的地でもありました。
ついに、その念願が叶う日がやってきました。
雨のなか、再びたどり着いた日本海
不思議な因果というものか、前回訪れた日も冷たい雨。
そして今回も、空から降るのは雨でした。
駐車場から施設まで歩く間も傘が手放せません。
「また雨か……。」
そんな言葉が思わず漏れますが、去年の悔しさを思えば、このくらいの雨はまったく気になりません。
日本海の荒波を背に建つ、白い曲線が印象的な加茂水族館。
その姿が見えた瞬間、ようやくここまで来られたという嬉しさが込み上げてきました。
館内へ入ると、大きな窓いっぱいに広がる日本海の景色。
荒々しい波とテトラポッドが織りなす風景は、水族館へ入る前から気分を盛り上げてくれます。
まずは庄内の海と生き物たち
館内に入って最初に迎えてくれるのは、地元・庄内の海を紹介する展示エリアです。
山形県立加茂水産高等学校とのコラボ展示では、地域の海洋資源や研究内容が分かりやすく紹介されていました。
その先には、庄内の海を再現した大水槽。
魚やエイがゆったりと泳ぐ姿は見応え十分で、子どもたちも水槽に張り付くように見入っていました。
華やかなクラゲ展示の前に、地元の海について知ることができる構成になっているのも、この水族館ならではの魅力です。
リニューアルで誕生したマイクロアクアリウム
途中から、様々なクラゲが展示されているクラゲコーナーが始まります。
大小の水槽の中に優雅に漂うクラゲを見ることが出来ます。
そうしたクラゲの水槽を進んでいくと・・・。
続いて現れるのが、今回のリニューアルで新設された展示エリアです。
小さなクラゲを間近で観察できる水槽や、顕微鏡・モニターを使ってクラゲの誕生や成長の様子を観察できるコーナーなど、見どころがたくさんあります。
特に印象的だったのは、スタッフさんによる手描きの解説ボード。
クラゲへの愛情が伝わる内容ばかりで、思わず足を止めて読み込んでしまいました。
圧巻!……でも少し期待しすぎた? クラゲドリームシアター
順路を進むと、いよいよ加茂水族館最大の見どころ「クラゲドリームシアター」が姿を現します。
直径5メートルの円形水槽いっぱいにミズクラゲが漂う光景は、青い照明に照らされてとても幻想的。水槽の前には椅子も用意されており、腰を掛けてゆっくりとクラゲを眺められるようになっています。
何も考えずに、ただクラゲがふわりふわりと漂う姿を眺めているだけで、不思議と心が落ち着いてきます。
ただ、個人的には期待値が高すぎたこともあり、第一印象は「思っていたよりコンパクトだな」というものでした。
写真で見ると圧倒されるような迫力を感じていたのですが、実際に目の前にすると「こんなものか」というのが正直な感想です。
もちろん美しい展示であることは間違いありません。
しかし、海遊館や美ら海水族館の巨大水槽、あるいは他の水族館にある海底トンネルのようなスケール感や没入感をイメージして訪れると、少し肩透かしを感じる方もいるかもしれません。
また、「世界一のクラゲ展示」と聞くと、展示スペースそのものが非常に大規模な水族館を想像していましたが、施設全体としては中規模という印象でした。
普段から京都水族館のクラゲ展示を見慣れている私としては、想像していたほどの差は感じられず、「世界一」という言葉から抱いていた期待には少し届かなかった、というのが率直な感想です。
とはいえ、クラゲの種類の豊富さや飼育・研究へのこだわりはさすがの一言。
ひとつひとつの展示や解説をじっくり見ていくと、この水族館が世界トップクラスと評価される理由も少しずつ理解できました。
"迫力"よりも、"クラゲという生き物を深く知り、ゆっくり眺めて楽しむ水族館"――そんな魅力を持った場所だと感じました。
最後はお土産コーナーへ
館内を一通り回った後は、出入り口近くにあるお土産ショップへ。
せっかく加茂水族館に来たのだから、やっぱりクラゲグッズをチェックしないわけにはいきません。
まず目に入ったのは、なんと本物のクラゲが入っているという「クラゲまんじゅう」。
「とりあえず話のネタにはなるだろう」ということで購入してみました。
連れの本当の目的は“限定クラゲ傘”
実は、連れが加茂水族館に一番来たかった理由は別にありました。
それが、加茂水族館限定チャーム付きのクラゲ傘。
SNSなどで見かけて以来、ずっと欲しかったらしく、「ここで絶対に買う!」と意気込んでいたのです。
館内を探し回るものの、どこにも見当たりません。
「売り切れかな?」と思い、店員さんに聞いてみると――
まさかの販売中止!?
「えっ、マジかー!!」
関西から山形まで車を走らせてきた理由のひとつが、その傘だっただけに、これはかなりショックでした。
連れのテンションは一気に急降下。
そりゃそうです。 “ここに来る一番の目的”が、現地で消滅したわけですから……。
さすがに気の毒だったので、代わりに加茂水族館限定のクラゲデザイン3色ペンを買ってあげました。
気になっていた「クラゲアイス」も実食
そして、入館したときからずっと気になっていたクラゲアイスも購入。
てっきりクラゲがアイスに練り込まれているのかと思っていたのですが、実際には後のせタイプでした。
アイスの上にクラゲがトッピングされていて、食べるとコリコリとした独特の食感が加わります。
面白い体験ではあったものの、個人的には「もうひと工夫あるともっと良かったかな」という印象。
味そのものは普通に美味しいのですが、“クラゲならではの驚き”はやや控えめでした。
ちょっとほろ苦い締めくくり
去年のリベンジを果たし、世界一のクラゲ展示を楽しめた加茂水族館。
展示自体は十分に満足できたものの、最後の最後で連れの最大の目的だった限定クラゲ傘が販売中止という、思わぬ展開が待っていました。
そのため、帰る頃には少しだけ複雑な気分に。
「大満足!」と言い切るには、ほんの少しほろ苦さの残る加茂水族館訪問となりました。
それでも、雨の日本海を眺めながらクラゲたちに癒やされた時間は、きっと忘れられない思い出です。