前回までの記事では、LIXILの「カーポートSC」をはじめ、各メーカーのカーポートを比較してきました。
デザインや構造を比較して「これがいい!」という商品が決まっても、実際に自宅へ設置するとなると、もう一つ確認しておかなければならないことがあります。
それが、その土地にカーポートを建てることができるのかという問題です。
カーポートは単に「屋根を付けるだけ」と考えてしまいがちですが、実際には建築基準法をはじめ、土地によってさまざまな法令や地域のルールが関係してきます。
そこで今回は、カーポートSCを実際に設置する前に、どのようなところを確認しておけばいいのかを整理してみたいと思います。
#① 建築基準法・地区計画(都市計画法)
まず確認したいのが、建築基準法と地区計画です。
カーポートは条件によって建築物として扱われるため、建築確認申請が必要になるかどうかを含め、建築基準法上の確認が必要になります。
また、建ぺい率や高さ、防火・準防火地域など、土地の条件によって確認する内容も変わってきます。
さらに、その土地が地区計画の区域に入っている場合には、都市計画法に基づく地区計画のルールも確認する必要があります。
地区計画では、建築物の位置や高さ、壁面後退などについて、地域ごとに独自の制限が設けられていることがあります。
つまり、
「カーポートとして販売されている商品だから設置できる」
とは限りません。
その土地にどのような建築上の制限があるのかを確認することが重要です。
② 建築協定・地区協定など
次に確認したいのが、建築協定や地区協定など、その地域独自のルールです。
住宅地によっては、法律や条例とは別に、良好な住環境を維持するためのルールが定められている場合があります。
例えば、
* 道路や隣地境界からの後退
* 建築物の位置
* 建物や工作物の高さ
* 外観や色彩
* 屋根などの形状
といった内容が定められていることがあります。
特に戸建て住宅地では、こうしたルールが設けられているケースもあるので、法令だけ確認して「大丈夫」と判断するのは少し危険です。
③ その他の法令・条例・地域のルール
このほかにも、土地によっては景観、緑化、道路、福祉、排水などに関する条例や基準が関係する場合があります。
また、分譲地や住宅地によっては、管理組合や自治会などによる独自のルールが設けられている場合もあります。
すべての土地で同じ規制がかかるわけではありません。
そのため、ここで法律や条例を一つ一つ詳しく説明するよりも、
「自分の土地には、どんなルールが適用されているのかを確認する」**
ということが重要になります。
カーポートだけでなく「敷地全体」を確認する
では、実際にどこを確認すればいいのでしょうか。
ポイントは、カーポート本体だけを見るのではなく、敷地全体を見ることです。
例えば、道路側では道路境界からの後退や出入口の位置、隣地側では境界からの距離や協定などを確認する必要があります。
カーポート本体についても、建築物としての扱いや建ぺい率、高さ、構造などを確認します。
さらに、既存の住宅との関係も無視できません。
カーポートを後から設置する場合でも、既存住宅との関係で建築確認などに影響することがあります。
そして敷地全体では、地区計画や建築協定、緑化などの地域ルールがないかも確認しておきたいところです。
つまり、
「カーポートを置く場所だけ調べればいい」
というわけではありません。
道路、隣地、既存住宅、敷地全体。
それぞれについて確認していく必要があります。
地域によってルールは違う
ここで注意しておきたいのが、法令や条例の具体的な取り扱いは、自治体や地域、さらに敷地の条件によって変わるということです。
同じカーポートSCを設置する場合でも、場所が変われば確認する内容が変わる可能性があります。
そのため、実際に設置を検討する場合は、カーポートのサイズや設置場所をある程度決めたうえで、土地の所在地を伝えて自治体の担当窓口などに確認するのが確実です。
メーカーや施工業者に相談することも大切ですが、最終的にはその土地に適用される法令や地域のルールを確認しておく必要があります。
まとめ
カーポートSCは非常にシンプルなデザインですが、設置するときには商品そのものだけを見ていればいいわけではありません。
確認しておきたいのは、
① 建築基準法・地区計画
② 建築協定・地区協定など
③ その他の法令・条例・地域のルール
そして、それらをカーポート本体だけでなく敷地全体について確認することです。
とはいえ、ここまで読んでも、
「じゃあ、実際に自分の家の場合はどうなんだ?」
と思うのではないでしょうか。
そこで次回は、いよいよ我が家の場合です。
実際にカーポートSCを設置する場所について、これらの条件を一つずつ確認していきます。
果たして我が家には、カーポートSCを問題なく設置できるのか?
そして、調べていく中で「これは大丈夫だった」というものと、「これはダメだった」というものが出てきました。
次回は、我が家のケースを具体的に見ていきたいと思います。