カーポートSCを実際に我が家へ設置するとしたら、どんな問題があるのか。
前回までの記事では、LIXILのショールームへ足を運んだり、他メーカーのカーポートと比較したりしながら、SCの特徴をいろいろ調べてきました。
ただ、商品そのものが気に入ったからといって、我が家にそのまま設置できるとは限りません。
そこで今回は、実際に我が家へカーポートSCを設置することを前提に、敷地の規制を一つずつ確認してみることにしました。
まずは自分で図面を作ってみる
まずやったのは、我が家の敷地にSCを配置した平面図の作成です。
敷地や既存建物、駐車スペースなどを図面に落とし込み、そこへ検討しているカーポートSCを配置。
柱の位置や屋根の大きさなどを調整しながら、
「実際に設置するとしたら、こんな感じになる」
というところまで図面にしてみました。
さらに、3DCADを使って立体的なイメージも作成。
平面図だけでは分かりにくい屋根の大きさや柱の位置、建物との距離なども、3Dにするとかなりイメージしやすくなります。
この時点では、かなり具体的に「我が家にSCを置いたらどうなるか」が見えてきました。
ただし、ここからが問題です。
この位置に、本当に設置していいのか?
敷地にかかっている規制を確認する
そこで、改めて我が家の敷地にかかっている規制を調べました。
確認したのは、
・自治体のホームページに掲載されている地区計画
・景観計画
・自治会の資料に記載されている建築協定
などです。
我が家の場合、単純に「自分の土地だから好きな位置にカーポートを建てていい」というわけではありません。
敷地に対していくつかのルールがあるため、それらを一つずつ図面に反映していきます。
特に重要だったのが、
外壁後退
と
道路からの後退距離
です。
そこで、先ほど作った平面図にそれぞれの後退ラインを書き込んでみました。
こうして見ると、カーポートの配置にも制約があることが分かります。
基本的にカーポートは建築物に該当し、外壁後退が発生します。
外壁後退が何mかはその土地にかかる規制によって変わります。
私の家の場合は、
道路境界:3.0m
隣地境界:1.0m
となっております。
まぁ、これめちゃくちゃ厳しいです。
皆さんもカーポートを建てるときはどのような外壁後退規制がかかっているかは要注意です。
できるだけ敷地いっぱいまで寄せたい
とはいえ、せっかくカーポートを設置するなら、できるだけ駐車スペースを有効に使いたい。
特に我が家の場合、隣地側にはできるだけ寄せたいと考えていました。
そこで、外壁後退ラインからカーポートの一部が出てしまう場合に、何か緩和規定がないかまで調べてみました。
すると、一定の条件を満たせば、外壁後退ラインから一部が出る場合でも緩和できる規定があることが分かりました。
このあたりは条文だけ読んでいても分かりにくいので、実際の図面に当てはめて確認。
これはどういうことかというと、外壁後退は基本守らないといけませんが、外壁後退ラインから飛び出している箇所が合計3mまではOKという緩和条件。
屋根の一部がずっと飛び出していると、合計3mはあっという間にアウトになります。
今回は太い柱の部分だけ外壁後退ラインから飛び出させたら、少しでも隣地側にカーポートを持ってこれないかと考えました。
ただ、ここまで来ると、さすがに自分だけの判断では不安です。
そこで、作成した図面を持って市役所へ相談に行くことにしました。
市役所の建築指導担当に確認
今回、市役所で確認したかったのは大きく3つ。
① カーポートは「増築」になり、確認申請が必要なのか
まずは確認申請について。
私としては、カーポートの建築面積については一定の緩和があることを知っていたので、
「もしかすると確認申請も不要になるのでは?」
と少し考えていました。
詳しくは述べませんが、今回のケースでは確認申請が必要かどうかを判断するうえで、10m²という基準が関係してきます。
緩和を使えば10m²未満になるので確認申請は不要ではと思ったわけです。
ところが、ここは別の話でした。
市の担当者からは、
市担当「はい、増築になります。確認申請が必要です。」
との回答。
建築面積については緩和規定がありますが、確認申請が必要かどうかを判断する際の増築の考え方は、延べ面積の加算で考えるとのこと。
つまり、
建築面積が緩和されることと、確認申請が不要になることは別問題。
ここは自分でも少し混同していたところでした。
やはり確認は大事。
② 外壁後退の緩和は使えるのか
次に、外壁後退について確認。
ここは実際の図面を見てもらわないと最終判断はできないものの、考え方としては、
市担当「外壁後退ラインから飛び出している部分の和が3mまでであれば、緩和の対象になる」
という説明でした。
これなら、私が作った図面の配置でも適合させられる可能性があります。
少なくとも、
「外壁後退ラインを少しでも越えたら完全にアウト」
というわけではないことが確認できました。
ただ、具体内容については申請してからきっちり見ていくことになるとのこと。
③ 確認申請を自分で出すことはできるのか
そして、もう一つ確認しておきたかったのがこれ。
「確認申請を業者に任せず、自分で出せるのか?」
ということです。
市の担当者からは、
市担当 「最近は皆さん確認検査機関にお出しになりますよ?」
と言われました。
もちろん、それは分かっています。
ただ、今回くらいの規模なら自分で図面を作ることもできますし、せっかくなので申請まで自分でやってみたい。
そこで、自分で申請したい旨を伝えると、
市担当「本当にご自分で出されるんですか?」
という感じで少し驚かれました。
私自身、仕事柄、簡易な倉庫などの確認申請をした経験があります。
今回のように、法改正による手続きの緩和が適用されない状態での申請は初めてですが、図面そのものは自分で作成できます。
そのため、
「必要な資料を揃えれば、自分で申請してみよう」
と考えていました。
市の担当者からは、耐震性能の根拠資料や地耐力の根拠資料なども必要になるとの説明がありました。
ただ、カーポートはメーカー製品なので、耐震性能についてはメーカーの資料を用意できるはず。
また、我が家は県が造成した宅地なので、地耐力についても一定の根拠資料はあるだろうと考えました。
既存建物についても、建築面積や延べ面積は建築確認の概要書を使えるか確認したところ、
市担当「それで完了検査が通っているなら問題ないです。」
とのこと。
ここまで来ると、かなり具体的になってきました。
まさかの「本当に出すんですか?」
そして最後に、
「市に直接確認申請を出した場合、どのくらいかかりますか?」
と聞いてみました。
すると、
市担当「本当に出すんですか……。最近受け付けてないからなぁ……。一月くらいは……。」
とのこと。
最近は指定確認検査機関へ申請するケースが多いようで、市へ直接申請する人はかなり少ないようです。
とはいえ、ここまで確認した結果、
法規上の大きな問題はなさそう。
自分で図面を作り、必要な資料を揃えれば、確認申請まで自分で進められそうです。
外壁後退についても、緩和規定を使えば配置を成立させられそう。
つまり、この時点では、
「これなら本当にSCを置けるんじゃないか?」**
と思っていました。
最後に出てきた「積雪荷重」
そんな感じで、市役所での確認も終わろうとしていたときです。
担当者から、最後にこんな質問がありました。
市担当「あと、この製品ですけど、積雪荷重は大丈夫ですか? 市は積雪荷重40cmが基準になっていますが。」
「あっ……。」
もちろん、積雪荷重についても調べていたつもりでした。
その場では、
「それは大丈夫だと思います。帰って確認してみますね。」
と答え、市役所を後にしました。
このときは、正直そこまで深刻には考えていませんでした。
「メーカーの商品なんだから、たぶん大丈夫だろう」
くらいの感覚です。
私の地域も雪は降るとは言っても大雪にはなりませんし。
通常の商品で十分性能がクリアできていると思っていたのです。
ところが、家に帰って改めてカーポートSCの仕様を確認してみると……
どうも、そう簡単な話ではありませんでした。
ここまで法規を一つずつ確認して、ようやく「設置できそうだ」と思ったところで、最後に出てきた積雪荷重。
果たして、我が家にカーポートSCを設置することはできるのか?
次回、改めてSCの積雪荷重について調べてみます。