2017/08/04

デジタルライカを買う!! ~Leica M Typ240 レビュー~

Leica M Typ240を手に入れた!?

LEICA M (Typ240) + Elmar 50mm F2.8 M

一見するとフィルムカメラのようだがこれでも立派なデジタルカメラである。
M型ライカが世に生まれ実に50年以上経過しているわけだが、21世紀の今でもレンジファインダーという古い機構を搭載し、伝統的なスタイルを貫くライカには敬意を覚える。




LEICA M3  + Elmar 50mm F2.8 M

私が初めて手に入れたライカはM型ライカの原点であるM3である。
それからもう数年立ったがとうとう、デジタルライカを手に入れる事ができた。

フォルムは驚くほどよく似ている。
M型はM3に始まり、M2、M1、M4、M5、M6、M7と続いてきたが(バリエーションも含めるともっと多い)、軍艦部のフィルム巻きとりダイヤルがM4から斜めに配置されていたが、個人的にはフラットなM3の形状が一番スッキリして好きだ。




赤いバッチは賛否別れるところだが、個人的には何も書かれてないトッププレートが気になる。
ライカの筆記体はとても好きな書体でこれがないとなんだかしっくり来ない。
プロモデルとして位置づけられるM-Pには赤バッチもトッププレートの文字も彫り込んであるのだが、そのような差別化をせず普通のモデルからトッププレートには文字を入れてもらいたいものだ。

また、デジタルライカのほうがフィルムよりも数mm厚くなっている。
これは電子機器を入れるために仕方ないと思うが、これまでM3を使って手が慣れているとライカ Mの分厚さは気になる。

2017年の2月に発売されたライカ M10では厚みがフィルム機と同等になり、M3でもお馴染みの左肩のrフィルム巻き上げダイヤルがISOダイヤルとして配置されることとなった。



はやり私と同じく軍艦部の寂しさを訴えるユーザーは多かったのだろうか。
これであと右側に有機ELの小窓を配置し、枚数や撮影設定などを表示。
シャッターボタンに擬似的な巻き上げレバーを搭載したらもはやフィルム機と見間違うレベルまでなるだろう。

小窓は初めて出たM型デジタルライカであるM8にはあったが速攻で廃止されてしまった。
巻き上げレバーは電源のON/OFFやモード切替などを上手く連動する形でセットできたら言うこと無いのだが、まぁそれは実現性は低い。
ただ、ユーザーの声を出来る限り聞いてくれるライカだからそのように望むユーザーが多ければそのうち実現してしまうかもしれない。




ライカ Mの最大の特徴はライブビューや外付けEVFに対応し、動画撮影もできるようになったことだろう。
これまでの保守的なライカファンからは批判を受けるポイントだと思うが、コンパクトなM型ライカとしてこれらの拡張性は一つの解答だとおもう。

フレンジバックが短いミラーレス機はその特性を活かし、マウントアダプタを使用することで他社の様々なレンズを使用できるというメリットがある。
SONYのミラーレス機はそのマウント遊びに対する需要もあり、着々と売上を伸ばしてきている気がする。

M9までは世界最小のレンズ交換式フルサイズ機として君臨してきたライカも、SONY α7が発売されるとその優位性も薄れてきた。
むしろ見やすいEVFや手ブレ補正内蔵ボディや高画素センサーなどライカを使わなくてもフルサイズでMマウントレンズが使用できるのはMマウントレンズユーザーにとっては願ったり叶ったりだろう。

ある意味M型ライカは伝統に縛られ、またそれを良しとする多くのユーザーに支えられているとい現実がある。
ライカ M(Typ240)のバリエーションモデルであるライカ M(Typ262)ではライカ M(Typ240)と同じボディを使用しつつ、ライブビューと動画機能を省いた。
純粋に静止画撮影をレンジファインダーで楽しんで欲しいという意図である。
さらにライカM-Dでは背面液晶すらも取っ払ってしまった。

最新型であるライカ M10でも仕様上は動画撮影も可能だが、実際ライブビューは付いてるが動画機能は省略している。
なんでもM型ライカユーザーには「動画機能が付いているから買わない」との声まであるからその配慮なんだそうな

世界で唯一レンジファインダーを搭載しているM型ライカ。
伝統的なことを守るのはいいが、個人的には先進的な取り組みもガンガンしていって欲しいと思う。




デジタルライカの選び方 私がLeica M Typ240を選んだわけ

デジタルライカはM8に始まり、今では多数のモデルバリエーションがあるわけだがなぜ私はライカ M(Typ240)を選んだのか。

その理由を各モデルを比較し紹介していきたい。


LEICA M8


記念すべきデジタルライカ第一作目である。
長らくフィルムカメラを製造してきたライカもとうとう2006年にM型のデジタルカメラを出すに至ったのである。
最初に手を出そうと思ったのはこの機種だ。
なんせ一番古いM型デジタルライカなので値段も安い。

フィルムカメラであるM7の後継機的な扱いだが、残念なことに素子のサイズはフルサイズ(ライカ判)ではなくAPS-Hなのだ。
ライカなのにライカ判じゃない。
なんとも中途半端である。

また、このカメラは描写向上を意識するあまり、センサーの前面にあるフィルターを極限までカットしている。
ローパスフィルタを排除し、赤外線カットフィルターですら極限までカットしているそうだ。
だが、これは高画質化に貢献する一方マゼンダかぶりという現象を引き起こすきっかけになってしまた。
後になってその対策としてユーザーにはライカから赤外線カットフィルターが2枚配布されたのだが、中古で買う人間には当然配られない。

また、改めて各レンズの赤外線カットフィルターを購入するのはコストがかなりかかる。
最初はこのカメラがM型デジタルの中で一番安いので狙っていたのだが、それでも店頭販売価格は25~30万円程度。
運用のためのコストを考えるとあまり現実的ではないと判断した。


LEICA M9


そしてM8の発売から3年後の2009年9月9日に後継機であるM9が正式発表された。
9の並ぶ日に発表するとはライカも中々味がある。
このカメラから画素素子はフルサイズ(ライカ判)となり、ようやくM型ライカの完全デジタルが達成されたと言ってもいいだろう。

M9は1800万画素のフルサイズCCDセンサーを搭載しており、M8にあったマゼンダかぶりなども解消されており実用性としては申し分ない。
ただ、CCDセンサーは高感度に弱くM9も常用でISO400程度、ISO1600にもなるとザラザラで実用ではないという声もある。
フィルムの代替えとして使うならISO100~400でも同等の使用はできる。

今持っているデジタル一眼レフと比べると相当実用性は落ちるが、そもそもライカは実用性で選ぶカメラではない。
それにCCDは最近のカメラに搭載されているCMOSセンサーよりも低感度での描写は上とも聞くし、描写だけにこだわりこのM9を買うという選択もありじゃないかと思っていた。
中古相場は35万円前後。

M8を候補から外したあとはもっぱらこれが候補になった。
予算が10万円以上アップしたが、使い勝手を考えると10万円の出費は必要経費で納得できる。
M9の他にプロモデルのM9-Pもあるが、いずれにせよ35万円前後で売っていれば飛びつく勢いだったのだが思っていたより手頃な値段のものがない。
そして予算が多少上がるにつれもう一つの候補がでてきたのだ。


LEICA M (Typ240)



2013年に発売されたライカ M(Type240)。
とうとうMのナンバリングが消えた。
これからはM型ライカはライカ MとなりTyp表記が変わっていくのだろうか。
まぁ、ライカ M10が発表され増々意味が分からないネーミングになってしまった。

このカメラがこれまでのM型と違う点は、実用性をとにかく突き詰めた点である。
M9でフルサイズCCDセンサーだったのが、高感度に強い2400万画素のフルサイズCMOSセンサーに変わった。
また、背面液晶は2.5型23万ドットだったのが3型92万ドットに大型化されライブビューにも対応。
さらに動画撮影なども可能となっている。

まさに現代ミラーレス一眼のライカ版と言った感じだ。
ただこれも賛否あり、ライカでライブビューや動画撮影なんていらない!という保守的な意見も多い。
特に動画撮影機能を追加したために重量は増加した点は、動画機能を重視しないユーザーからしたら蛇足以外何者でもないだろう。

ただ、新たに追加されたライブビューがとても魅力的なのだ。
これまでレンジファインダーでしかピント合わせができなかったライカは様々な弱点が合った。

ズームレンズが使えない、焦点距離が長い、広角が使いにくい、望遠が使いにくい。
全てはレンジファインダーによるピント合わせの弊害なのだが、このライカ Mならばライブビューでピント合わせをすることによりそれらのネガティブな部分が全て解決された。

またマウントアダプタを使用することで様々なレンズが使用可能となったのだ。
これはフレンジバックが短いミラーレス機の特権とも言える。



さらにオプションのEVFを付けることで、よりブレにくい撮影が可能に。
ライカレンズだけでなく手持ちのニコンやキャノンレンズ資産も運用できることはかなり魅力的に感じた。


最終的にはM9とライカ Mのどちらかにしようか迷ったのだが、その価格差は35万円前後と40万円前後の約5万円だ。
今後の事も考えより汎用性の高いライカ Mにするか、純粋に描写だけを追求したM9にするか。
毎日悩み、商品を眺め、たまたま40万円を切る価格でライカ M(Typ240)が出品されていた。

他に入札者もおらず、迷わず私はそれをゲットしたというわけだ。
週末に花火を見に遠出するのだが、その時期に間に合わせたいという思惑も合った。

実際どんな写真が撮れるのかは旅行にいってじっくり見てみようと思う。
それにしても最後のカメラとしてライカが手に入ったら良いなと思っていたが、まさかこのタイミングでゲットするとは思わなかった。

まだまだこれから続く長い人生をデジタルライカで目一杯楽しめたらなと思う。


ゆう
ゆう

旅行とカメラが趣味のゆうが撮影した写真をただただ紹介するだけのブログです。頑張って更新していきます。

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