震災にも耐え、曳家で移築もされた近代建築
ヨドコウ迎賓館を見た後は芦屋川の桜を見ながら下流の方へ下っていきました。
芦屋川沿いの桜は大きく川側へせり出して生えているので、河川敷にビニールシートを敷いて花見をするのはとても気持ちが良さそうですよね。
古い木もチラホラ見受けられ木の更新もしていかないといけないんでしょうが、この光景がいつまでも続くよう頑張って欲しい処。
そして業平さくら通りにやってきましたが、こちらが芦屋桜まつりの本会場。
屋台とか出ているのですが人混みが凄い!!
対岸から撮ったらかこんな感じ。
所狭しと人がおります。
ちなみにこちら側の河川敷には特設ステージが設置されており、向こう側から見学することができます。
そしてこちら側には気になる建物が立っております。
何やらカラフルな旗がはためいる四角い建物。
これは一体?!
この少しレトロな建物は「芦屋仏教会館」といいます。
名前の通り仏教の信仰のための施設です。
1927年に丸紅商店の初代社長の出資により創設された近代建築です。
仏教と行くとお寺なイメージですけど、なんともモダンで芦屋チックな建物ですよね。
普段は定期的にしか内部を公開しておらず、私もそのタイミングに巡り会えたことはないのですが、今日は桜まつりということで特別公開しておりました!
正面に取り付けられたステンドグラスも当時のもので、第二次世界大戦の空襲や阪神淡路大震災など生き残った大変貴重な近代建築です。
ヨドコウ迎賓館のときも書きましたが、近代建築って割と重要視されないんですよ。
この建物もRC造なんですけど、貴重な建物といえば伝統的な木造建築だろ!ってことでRC造の建物はそこまで重要視されないです。
例えば先にブログに上げたヨドコウ迎賓館を設計したフランク・ロイド・ライト作品、その日本での彼の代表作と言えば旧帝国ホテル。
モダンなレンガ調の建物ですが各構造をエキスパンションジョイントで繋ぐなど耐震に考慮し、世界で初めて全館スチーム暖房を完備さすなど防火にも配慮した結果、関東大震災ではびくともせず、東京大空襲にも耐えたのですが、客室を増やすと言う理由から1970年にあっさり解体されましたからね・・・。
ライトの弟子であり、ライト帰国後ヨドコウ迎賓館の建築にも携わった遠藤新が手がけた甲子園ホテル。
こちらは現在、武庫川女子大の校舎として利用されていますが、結局こういった民間の力がないと残らないんですよね。
ヨドコウ迎賓館もヨドコウ所有で保存を決めたから残ったわけですし。
日本人ももうちょっとこう、建物を大切にする風潮が広がればいいのになぁとか思ったり。
そういう意味ではこの建物は、この芦屋川沿いの風景を形成する貴重な建築物というわけで、芦屋で初の県の景観重要建造物に指定されました。
行政は民間所有の建物に対し「残せ!!」とキツく言えないのですが、助成金出すのでこれからもちゃんと維持管理してねと協力することはできるわけです。
今後もそういう形で古い町並みが消えずに残っていってくれたらいいですねぇ。
ちなみにこの建物も戦争を生き残り、阪神淡路大震災でもびくともしなかったと聞きます。
また、全面道路拡張工事の際は曳家(建物の上屋をそのままの状態で基礎を切り離し、移動させること)を行い西側に2.5mほど動かしたそうです。
素晴らしい建物は人類全体の財産だと思います。
今後ともその場所でいつまでも佇んでいてもらいたいものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿