2024/02/10

ギャッベを見に行こう 〜ギャッベの森〜

 どうせ買うならこだわりの絨毯を


午前中は2時間半の住宅ローンの話でかなり体力を使い、その後昼食をとるために駅ビルをグルっと巡ったりしたわけで。
体はもう悲鳴を上げヘトヘトになっていた。
なっていたはずだったのだが・・・。
スパイスカレーが効いたのか、なんだか俄然やる気が出てきた。
スパイスってやっぱすげー。


というわけで、せっかく大阪まで来たのだからとやってきたのがギャッベの絨毯専門店“ギャッベの森”。
場所は大阪メトロ 四つ橋線の本町駅で降りて徒歩で5分ほど。



割りと最近できたお店みたいで、きっかけは2020年コロナ禍の緊急事態宣言。
ご主人のお店が長期休業に入ったため、店舗改装を行い、店に置くアンティーク家具を探していたところお気に入りのアンティーク家具を購入。

続いて、アンティーク家具に合う絨毯を探したところ「ギャッベ」に出会い、たまたま九州のギャッベの輸入業者の人と知り合え、卸してもらうことになったんだとか。

なんだか運命ってどう転ぶかわかりませんな。



店内は小ぶりで大きいサイズの絨毯はあまりありません。
大きさ的にも幅1500が限界でしょうか。

40cm×40cm座布団サイズや80cm×40cmの玄関マットサイズがメインですかね。



ちなみに連れはこれがお気に入りなんだとか。
このサイズで36,000円くらいですね。

うーん、この値段皆さんどう思います?
そもそも先程から語っているギャッベって一体何なのか?

少し解説していきましょう。


そもそもペルシャ絨毯とは


皆さんはペルシャ絨毯という言葉をご存知だろうか?
聞いたことあるという人は上にあるような模様の絨毯を想像しているに違いない。

ペルシャ絨毯とはイラン国内で製作された手織絨毯絨毯のことを指す。
3000年以上の歴史を持ち、世界三大財産(金、宝石、ペルシャ絨毯)と呼ばれるほど世界に認められ、価値のある絨毯だ。

なぜ、金や宝石と並ぶほどの価値があるかと言うと、3000年にも続く受け継がれてきた技術と伝統、1枚1枚職人が手織りする製造コストの高さからだ。

絨毯の模様は絣(元々染色された糸を織り上げ模様を付ける)によって描かれるが、ペルシャ絨毯はその模様の緻密さから織り終わるまで大変な時間が必要となる。
大きなものは実に数ヶ月から1年以上もの年月をかけて織られるため、その分値段は高くなるというわけだ。

ちなみに世界三大織物にも数えられ、他の2つはフランスの「ゴブラン織」、日本の「大島紬」である。

そんなペルシャ絨毯だが、華やかなペルシャ絨毯とは違い、遊牧民が日常で使い潰すために織らえていた絨毯がある。
それが「ギャッベ」だ。


ギャッベとは


ギャッベはイランの遊牧民カシュガイ族やルリ族が伝統的に織ってきた絨毯だ。
先に説明したペルシャ絨毯と比べると、使う羊の毛もざっくりと織っているため太くて荒い。
染色も生活圏に自生する草や木で染めにより、模様は遊牧民の文様を取り入れることが多く、羊や山羊などの生き物、生命の樹や井戸などが描かれている。

イラン国内で製作された手織絨毯のため、ギャッベも間違いなくペルシャ絨毯の一種ではあるのだが、ペルシャ絨毯の市場では粗く重く、粗雑な絨毯は「ギャッベ(garbege/ごみ)」と呼ばれ、長らく日の目を見ない商品だった。

しかし、こんな商品にも注目する外国人が現れ始める。
今日のギャッベをブランド化し、素朴で丈夫でトラディショナルな絨毯として世界的に有名に仕立て上げたのがシラーズの絨毯商ゴラムレザー・ゾランヴァリ氏だ。

彼は単なる遊牧民の消耗品である絨毯を「商品」として国外に広め、その価値を大きく飛躍させることに成功した。
ギャッベと一言で言っても様々な品質の商品があるが、ゾランヴァリブランドのギャッベは高品質で値段もかなりお高い。

ただ、その弊害とも呼べる現象がギャッベには起きている。


モダン・ギャッベとアート・ギャッベ

元々ギャッベは上に上げたような縦長のデザインで、柄ももうちょっと騒がしい感じであった。
現在のギャッベというと、



シンプルな絵柄になっている。
私自身もギャッベと言うとこういう柄をイメージする。

正直、ペルシャ絨毯にあるゴチャゴチャした模様は好きじゃない。
ギャッベはこのシンプルさだからこそ好きなのだが。

これは実は伝統的なギャッベの姿ではなく、商品向けに捻じ曲げられた姿と言えよう。



1940年代のギャッベはこのような模様だ。

ちなみに最近のギャベはモダン・ギャッベとも呼ばれているが、中にはアートギャッベなどと呼ばれ少々高い値で取引されているものもある。

現在のギャッベがどういうものかしっかりと理解したうえで購入を検討すべきだろう。


それでもギャッベは良い

こうやって書いてきたが、正直なところ私はギャッベが好きだ。
実際、ギャッベの森で商品に触れ、その厚くどっしりとした重厚感にたまらなく惹かれた。

先にも書いたがギャッベはペルシャ絨毯ではあるが、粗雑な商品で安物扱いされている。
が、ペルシャ絨毯の相場自体がアホみたいに高く、玄関マットサイズでも数十万円、リビングに置くサイズになるともう一つ桁が上がるのが当たり前、車が買えるほどのものも珍しくないという業界なのだ。

それと比べて安物なだけでギャッベ自体は結構高い。

座布団サイズで7,000〜1,500円
玄関マットサイズで25,000〜40,000円
こぶりなソファの前に置く2m×1.5mサイズで20万〜40万円程度になる。

リビングに敷く絨毯で「20万円?あら安物ね」と言える人が一体どれだけいるかというはなしだ。
そういう意味ではギャッベは十分高級絨毯と呼んでも良いと思う。

ギャッベも間違いなく手織りで製作された絨毯なのだから。
ゆう
ゆう

旅行とカメラが趣味のゆうが撮影した写真をただただ紹介するだけのブログです。頑張って更新していきます。

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