私は普段、阪急電車を利用し通勤しているのだが、電車の釣り広告でしばしば美術館や博物館で行われる企画展の広告を見る。
芸術に疎い私でも美術の教科書や資料集に出てくるような絵画が広告に載っていると、意識せずとも目に飛び込んでくる。
今回はふと目に止まったとある企画展を見るために京都にある京都文化博物館にやって来た。
「ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー」。
イギリスで最も偉大な画家であり、風景画の歴史のなかでも最も独創的な画家の一人である彼の企画展が今回のお目当てだ。
場所は京都文化博物館。
赤レンガ調の洒落た建物で、私は初めて訪れるが細い路地の中でひときわ目立つ西洋風の建物だ。
美術館内の作品は当然撮影不可のためここで逐一報告することはできないが、彼の代表的な作品をいくつか紹介していこう。
この頃から版画や出版物の元絵となる水彩画を書いたり、劇場の風景を制作し生活費を稼いた。
夏にはさまざまなところにスケッチ旅行に行き、冬にアトリエで仕上げるスタイルをとり、イギリス各地の風景や建物の水彩画を仕上げた。
1797年、22歳にして初めて油彩画をアカデミー展に出展する。
すぐ上の作品「Fisherman at the Sea」だが、水彩画の淡い明るい情景とはうって変わり、黒を貴重とした大変情緒的な絵になっている。
そして彼に転機が訪れたのは1819年のイタリア旅行。
当時の芸術家たちにもイタリアは大変魅力的な街であり、ターナーもその例外ではなかった。
イギリスとは違うイタリアの明るい陽光と色彩に魅せられたターナーはここから画面における大気と光の効果を追求することに主眼をおく。
1842年に作成された『吹雪 -港の沖合の蒸気船-』。
ここまでくると印象派の作品のようだが、印象派を30年も先取りした先駆的な作品は、発表当時は石鹸水と水漆喰で描かれたなどと酷評された。
ターナーは生涯を通じて5回から7回の画風の転換があったと言われる。
第一期は主題が中心に書かれた風景画の時代。
第二期は風景の中心に広い空間が開けてくる時代。
第三期は開けた空間に光が現れた時代。
第四期はその光の中に何らかの姿が描かれた時代。
最後は風雨系全体が光で満たされた描写である。
上に例で出した画像はそこまで意識して並べてないが、美術館ではしっかり時代ごとに並んでいるのでぜひとも巨匠ターナーの絵の変化も感じ取ってみてもらいたい。
今回は何の知識もなく行ったが、とても楽しめた企画展だった。
また、何か琴線に触れる展示があれば行ってみたい。
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