2018/08/04

島根旅行記二日目 その3 ~日本三大船神事ホーライエンヤとホーライエンヤ伝承館~

来年は待ちに待ったホーライエンヤ!!


さて、松江歴史館で松江の町の成り立ちや松江城の歴史について学びましたが、続いてやって来たのは松江歴史館のお隣りにある「松江ホーライエンヤ伝承館」。

あまり聞き馴染みが無い方も多いかも知れませんが、実は大阪市天満宮の天神祭、広島県厳島神社の管絃祭とともに”日本三大船神事”と呼ばれています。




規模的にはこの前行った福岡の宗像大社で行われる”みあれ祭”とかのほうが船神事としては。歴史と壮大さで上な感じはしますが、こちらの方は毎年行われるわけではなく10年に1度、9日間にかけて行われる松江にとっての一大イベントなのですよ。

ちなみに前まで12年に1度だったらしいのですが、2010年に10年に1度にすることが決定してそうで、前回の2009年からちょうど10年を迎える2019年の5月に行われる予定です。



前のホーライエンヤはちょうど私が大学時代だったので、記憶にありますがそのときは松江のことをそこまで深くしりませんでしたか、田舎のちょっと大きめなお祭りくらいのイメージでした。

参加する船もほとんどが現役の漁船で、見てきた子にどんな感じだったか聞くと「普通にモーターボートが連なって走ってただけだった」と言っていたので、伝統もクソもないなとかなり低く見ていたのは否めません。

で・す・が!

このお祭りそんな安っぽいものではありません!!

初めてどんな祭りかじっくり館内を見学してわかったのですが、いやー結構凄いお祭りなんですよこれが!



まず松江ホーライエンヤがどんなお祭りか紹介していきましょう。
ホーライエンヤは江戸時代初期からあると言われていますが、その祭りは、松江城の場内にある”城山稲荷神社”と東出雲町にある阿太加夜神社(あだかやじんじゃ)の両社で執り行われます。

城山稲荷神社は、徳川家康の孫に当たる松江藩主松平直政が、前住地の松本(これは前のブログでも書きましたね!)で崇敬していた稲荷を勧請して祀るようになり、そこから藩主松平家の守護神とされていました。

そしてその管理は東出雲町の阿太加夜神社の社司が行っており、一説には直政が松江に来てちょうど10年目に天候不順に見舞われ、稲荷神社から本務社である芦高神社(現在の阿太加夜神社)に神幸させ、出雲の国の五穀豊穣の祈とうを行わせたことが始まりとされています。

ホーライエンヤは神幸祭として御神霊を城山稲荷神社から宍道湖と中海をつなぐ大橋川を通り、阿太加夜神社へと運ぶ「渡御祭」で始まり、阿太加夜神社で7日間の祈とうの間に、「中日祭」として参道で陸船行列を組んだ櫂伝馬踊り(かいでんまおどり)を奉納し、そして行きと逆の道順で返っていく「還御祭」で締めくくられます。



最初は現在のような漁船がたくさん連なって行われる神事ではなかったそうですが、最初の神幸祭から160年後の文化5年(1080年)の神幸祭の折、天候が悪くなり神輿船が危険な状態になったのですが、そのとき馬潟村の漁師が救い、阿太加夜神社まで無事に送り届けたんだとか。

それ以降、馬潟村の櫂伝馬船が神輿船の曳き船を務めるようになり、順に矢田、大井、福富、大海崎の櫂伝馬船も曳き船の列に参加するようになったんだとか。

最初の写真にある伝承館の入り口に掲げられた旗は、それら5つの地区の旗でそれらの地区をまとめて五大地などと呼ぶそうです。
ちなみに旗に「一番船 馬潟」「二番船 矢田」などと書かれているのは駆けつけた順番なんですね。



そしていつの頃からか、櫂伝馬船の上では”櫂伝馬踊り”が披露されるようになり、色とりどりの装飾と賑やかな唄も加わり、現在の船神事の形になったと伝われているそうです。



ちなみにこの”櫂伝馬踊り”ですが、各船には櫂の漕ぎ手や唄の音頭をとる者、そして先頭には歌舞伎姿の剣櫂(けんがい)と呼ばれる者の男らしい踊りと、後尾では女性の姿をした采振(さいふり)の女踊りが見られます。

これらの船の櫂の漕ぎ方や、剣櫂・采振の衣装や踊りは各船によって違い、それぞれ特徴があるのがまた面白いですね。

周りの船はモーターボートですが、主役の櫂伝馬船はちゃんと昔から変わらない姿で、それぞれの地区の伝統を伝えてきているわけです。



伝承館ではそれぞれの船の踊りなんかを映像で見ることが出来ますが(どこかの地区は調整中で見れませんでしたが・・・)、You Tubeに大井と矢田の櫂伝馬船の綺麗な映像があったので参考に見てみて下さい。

ホーライエンヤの掛け声とともに、船の上でダイナミックに舞う剣櫂や采振の姿が見られますよ。



基本的に地区の方たちのみでこの祭りの櫂伝馬船を操業してるわけですが、最近は世帯数も減って大変なんだそうです。
剣櫂や采振の役は高校生くらいの男子らしいですからね。

頑張っていつまでもこの素晴らしい祭りを伝えていって欲しいですねぇ。



というわけで来年5月は10年ぶりのホーライエンヤ開催です。
これはもう見に行くしかないでしょう!
渡御祭は土曜なんで金曜に家を出て駆けつければ見れるかな?

できたら中日祭の陸船行列や櫂伝馬踊りもみたいなぁ。
結構混むかも知れませんが、せっかく望遠レンズもあることですし、来年はぜひこの光景を目とレンズに焼き付けて来たいと思います。

ほんと楽しみですね。
ゆう
ゆう

旅行とカメラが趣味のゆうが撮影した写真をただただ紹介するだけのブログです。頑張って更新していきます。

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