全てはここから始まった・・・生糸商標カードとの出会い
駒ヶ根まで来たらぜひとも行っておきたい場所があった。
私は和服が好きだが、現在和服の殆どは正絹で作られている。
正絹の材料たる生糸の生産で有名なのは、世界遺産にもなった群馬県富岡製糸場であろう。
現在も群馬県は日本一の生糸生産地であり、全国の繭生産量37%、生糸生産量も62%が群馬県産なのだ。
明治時代に富岡製糸場が創業し始め、日本の生糸産業が近代化し始めたころ、信州長野県が繭・生糸ともに生産量日本一を誇る、蚕糸王国となっていたわけである。
各地には養蚕のために山々は拓かれ桑畑となったが、昭和4年の世界恐慌以降、徐々にりんごを中心とする果樹畑へと生まれ変わり、今日の長野県農業の基盤となっているそうな。
なぜ、世界恐慌により養蚕が衰退するかというと、当時の生糸産業は国内消費というより国外消費を主として生産されていたからだ。
生糸は江戸末期の開国から昭和初期まで最大の輸出額を占めた日本を代表する産品で、蚕糸産業は国の基幹産業の一つでもあった。
ほんの100年ちょっと前までは、世界中で日本の生糸が消費されていたわけだ。
入館料が必要なのは地下の展示室と特別展示室のみだ。
大きな蚕のぬいぐるみ。
連れがいたく気に入りミュージアムショップを見に行ってみたが、このサイズのぬいぐるみは売ってはいなかった。
虫が嫌いな人はご注意を。
ちなみに上の写真の右上にある絵画。
実はこれ絵ではなく玉繭を着色し並べて絵のようにしている。
受付の人に教えてもらわければ普通に絵画としてしか認識しておらず、そのままスルーするところだった。
まずは各地域の織物の反物が展示してある。
いやー壮観だ。
和服を着るようになってから各地の織物に興味が出てきたが、流石に見るだけで判断はできない。
こうやって対比できる展示はありがたい。
ちなみに一番気に入ったのは、牛首紬。
いつかは手に入れてみたい織物の一つだ。
着物というものは人間生きていく上で必ず必要となってくるもの。
昔は消耗品も含め地産地消が基本だったため、各地で織物が作られていた。
その中でもクオリティの高いものが各地で評価され、今日まで残っているというわけだ。
ちなみに紫色で着色されているのが今日有名な織物・染め物の産地。
紬の三大産地である大島紬(奄美大島・鹿児島・宮崎)、結城紬(栃木・茨城)、牛首紬(石川)。
帯の三大産地である西陣織(京都)、桐生織(群馬)、博多織(福岡)。
三大友禅といえば京友禅(京都)、加賀友禅(石川)、江戸友禅(東京)。
ちなみに三大紬塩沢紬や久米島紬、本場黄八丈なんかが牛首紬のかわりに入ってきたり。
沖縄脳には八重山ミンサーや琉球びんがた、芭蕉布なんかもある。
これはダンボールで作られた簡単な造りの箱だが、結構面白く、蚕は高いところから繭を作る性質がある。
高いところの箱が埋まったら、重みでこの箱がくるっと回って、からの側が上に来る。
するとまた蚕は空いた箱にまゆを作りそのうち箱はすべて埋まるんだとか。
見習いたいものだ。
各作品には名前があり、着物をまず見て作品名を当てるゲームを連れとした。
結構面白いのでオススメ。
繭玉が下の箱に入り、
繭玉を操っていくマシーンみたいだ。
昔は手作業でカラカラコマ回し操っていったんだろうが、機械が一気にやってくれるようになり大量生産ができるというわけだ。
そして巨大な蚕様。
元は左下の小さい卵サイズなのにここまで大きくなる。
しかも短期間にだ。
昆虫ってすごい生命力だ。
これは生糸の商標のようだ。
各産地ごとに商標があり、海外に出荷されていったんだとか。
裏面には観光案内が載っている。
これは結構よいと思う。
ただ、贅沢言えばもうちょっとカードの質感を上げてくれたらと思った。
そしてこのカードが始まりなのだ。
実はこの展示室に入る前、受付でこのカードも貰った。
結構集めている人いるのでどうですか?と言われたが・・・。
いやー、流石に全種類は無理だろ。
全28種類で、南はここ駒ヶ根市から北は中野市まである。
てか中野市ってどこや!!
そう思って隣を見ると・・・。
・・・連れはやる気だ。
かなりやる気だ。
もう近くのカードを配布している場所を調べている。
これも市によって1枚だったり、2枚だったりする。
また、当然だが各箇所で1枚しか配布されていないため、駒ヶ根市では駒ヶ根市観光案内所に行く必要がある。
うーん、ただこの駒ヶ根市観光案内所。
最初から行く予定だった場所の近くなので、とりあえずここに入ってみよう。
なるほどシークレットもあるのか。
そうと決まれば善は急げ。
いずれの都市も高速道路沿いというのも中々考えられている。
まぁ流石に2泊3日しかないし、15市28種類は無理だろう。
そう、このときは本気でそう思っていたのだ・・・。
こうして我々の15市28種類のカードを集める旅が開幕したのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿