夏の朝。
ロードスターにカメラバッグを積み込み、今日は少し山のほうへ向かうことにした。
目的地は、丹波篠山市にある「筱見四十八滝」。
今回の旅は、ただ滝を見に行くためのドライブではない。
久しぶりにライカのファインダーを覗きながら、夏の風景を撮り歩いてみようと思う。
ロードスターとライカ。
どちらも最新の道具ではないけれど、長く付き合うほどに愛着が増していく。
そんな二つを連れて出かける、夏の一日だ。
今回の旅の相棒
今回持ち出したのは、Leica M-P (Typ 240) Safariと3本のレンズ。
どれも性格が違い、持ち出す理由も違う。
Leica M-P (Typ 240) Safari
今回の主役であり、私が一番気に入っているカメラ。
M型ライカの中でも特別な存在であるM-P。
その中でも限定モデルとなるSafariだ。
オリーブグリーンのボディを初めて見たときから、この色が大好きになった。
今では好きな色を聞かれると「緑」と答えることが多いが、そのきっかけになった一台でもある。
久しぶりに手に取ってファインダーを覗く。
この瞬間が、やっぱりいい。
シャッターを切る前から、何かを撮りたくなる。
そしてこのカメラは、いつも期待していた以上のものを写してくれる。
少し古いデジタルライカ。
それでも、このカメラとなら今日の旅もきっと面白くなる。
Leica Summilux-M 50mm F1.4 ASPH.
M型ライカと一緒に購入した、憧れの一本。
ライカが誇る最高峰の標準レンズだ。
開放で撮れば、とろけるようなボケ。
ピントが合ったところは、触れれば切れてしまいそうなほどシャープ。
その両方が同居している。
そして何より、このレンズで撮ると独特の空気感が生まれる。
旅に持っていくレンズを一本だけ選ぶなら、私はこれを選ぶ。
今回も当然、バッグの中へ。
TTArtisan 21mm F1.5 ASPH.
もう一本は、銘匠光学のTTArtisan 21mm F1.5 ASPH.
驚くほど安価なレンズなのに、驚くほどよく写る。
しかも21mmという広角でありながらF1.5。
明るい広角レンズは意外と貴重で、建物の中や光の少ない場所では頼りになる。
今回は町中を歩く予定もあるので、持っていくことにした。
「使うかどうかは分からないけれど、持っていると安心する」
そんな、お守りのような一本。
旅のお供には、ちょうどいいレンズだ。
Leica Elmarit 135mm F2.8 第1世代
そして、今回一番悩んだのがこのレンズ。
Leica Elmarit 135mm F2.8 第1世代。
重い。
大きい。
そして135mm。
とにかく使いどころが難しい。
旅先で気軽に持ち歩くようなレンズではない。
それでも、決まったときの写りは折り紙付き。
135mmならではの圧縮感や、遠くのものを引き寄せる描写には、このレンズでしか撮れない面白さがある。
普段はなかなか持ち出す機会がない。
だからこそ、今回はあえてバッグに入れてみた。
果たして、この旅で出番はあるのだろうか。
少し重たいバッグを肩に掛けながら、そんなことを考えるのも楽しい。
ロードスターで山へ
3本のレンズをバッグに収め、ロードスターに乗り込む。
今日はどんな景色に出会えるだろう。
カメラを持って出かけると、いつもの道も少し違って見える。
夏の空。
山の木々。
目的地へ急ぐ必要はない。
気になった風景があれば、少し速度を落として眺めてみる。
そんな時間も、今日の旅の一部だ。
夏の田園を抜けて
田園風景が途切れた頃。
途中の分岐点には、森の入り口を見守るように静かに佇むお地蔵様の姿があった。
ここから車は山の方へと向かっていく。
森の中へ
やがて道は山へと入り、周囲の景色が一気に変わっていく。
杉木立の中を抜け、さらに奥へ。
舗装された道から、少し荒れた道へと変わっていく。
ロードスターの速度も自然と落ちる。
木々の間から差し込む光を眺めながら、ゆっくりと先へ進む。
すると、森の中に少し不思議なものが見えてきた。
森の中に現れた不思議な建物
「なんだ、あれは?」
森の中に突然現れたのは、まるでキノコのような形をした建物だった。
丸みを帯びた屋根。
白い壁。
周囲を深い緑に囲まれているせいか、どこか現実離れして見える。
目的地へ向かう途中で、こんなものに出会うとは思っていなかった。
こういう偶然があるから、知らない道を走るのは面白い。
少しだけ車を止めて、その姿を眺める。
そして再びロードスターを走らせる。
筱見四十八滝の駐車場へ
さらに森の奥へ進むと、ようやく筱見四十八滝の駐車場が見えてきた。
木々に囲まれた小さな駐車場。
その脇には東屋があり、ここから先はいよいよ徒歩になる。
ロードスターを停め、エンジンを切る。
さっきまで聞こえていたエンジンの音が消えると、森の静けさが一気に近くなる。
カメラバッグを取り出す。
M-P Safariを手に取る。
まずは50mmを付けておこうか。
それとも、森の中なら21mmか。
135mmの出番はあるだろうか。
そんなことを考えながら、ゆっくりとカメラを構える。
ここから先は、車ではなく自分の足で進む。
いよいよ、ライカで筱見四十八滝を撮る時間が始まる。
■ 筱見四十八滝キャンプ場
利用料金:無料(※要事前予約・利用申請)
営業期間:4月1日〜9月15日(秋〜冬は管理および狩猟期間のため利用不可)
サイト環境:フリーサイト(土)、テント6〜8張り程度のこじんまりとした静かな環境
設備・インフラ:
炊事場あり(※水は飲用不可のため、飲料水は要持参)
トイレあり(※汲み取り式・トイレットペーパーは要持参)
電源なし、直火禁止
駐車場 約10台
所在地・アクセス:兵庫県丹波篠山市上筱見561
舞鶴若狭自動車道「丹南篠山口IC」より車で約30分
国道173号「小田中(丹波東雲バス停)」より約5分
問い合わせ・申請:丹波篠山市 多紀支所(TEL: 079-556-3171)