2026/08/19

ライカとロードスターで巡る夏|第二章 篠山・手洗い滝への険しき道

手にしたのはライカ M-P (Typ 240) サファリとLeica Summilux-M 50mm F1.4 ASPH.


車を止め、カメラバッグを肩にかける。

ここからはロードスターを下りて、自分の足で深緑の森へと入っていく。


カメラに着けたのはLeica Summilux-M 50mm F1.4 ASPH.

まずは標準50mmで景色を切り取っていこう。



まっすぐに伸びる杉並木の道が目の前に広がっている。

木漏れ日が足元を照らし、山の静かな空気が体を包み込んでいく。


駐車場の近くには、滝めぐりの案内板があった。



どうやらルートは2種類あるらしい。


緩やかな杉並木のルートか。


急勾配の滝巡りのルートか。


迷わず私は険しい滝巡りのルートを選んで、道を進んでいった。



「滝めぐり 終点まで1時間」


どうやら、この先にはいくつもの滝が続いているらしい。




緑はさらに深くなり、少しずつ山道らしい雰囲気になってきた。

途中には炊事場やトイレもあり、その一角にあった手洗い場も、どこか懐かしい佇まいを見せている。


そして、足元に目をやると……



小さな先客が、静かに道を横切っていった。

驚かせないよう、こちらもそっと通り過ぎる。


山の中では、彼らが先住者だ。



さらに進むと、改めて案内標識が現れた。


「一の滝まで1時間、下山30分」


その先には、手洗い滝、弁天滝、肩ヶ滝……。

いくつもの滝の名前が並んでいる。


今回は本格的な滝めぐりをするつもりではなかったので、どこまで行けるかは歩きながら考えることにした。


このあたりから、道の表情が少しずつ変わっていく。



苔むした岩。



落ち葉の積もった土の道。




木々の間を流れる小さな水の流れ。

距離そのものはたいしたことない。


駐車場から手洗い滝までは、歩いて10分もかからないくらいだ。


それでも、普段の街中とはまったく違う景色が次々と現れるので、カメラを持って歩いているだけで楽しい。


やはり、このレンズはいい。


Summilux-M 50mm F1.4 ASPH.


しっとりとした岩肌や、木々の間から差し込むわずかな光。

こうした少し暗い森の中では、このレンズの描写がよく似合う。


歩いている時間よりも、立ち止まってファインダーを覗いている時間のほうが長かったかもしれない。


そして、手洗い滝が近づくにつれて、道は少し険しくなってきた。

ゴツゴツとした大きな岩が転がる急坂。


距離は短いものの、足元にはそれなりに気を使う。


慎重に一歩ずつ進んでいく。



そして、辿り着いたのが最初の滝。


「手洗い滝」だ。


黒く湿った岩肌を、清流が静かに滑り落ちている。


大きな滝ではない。


けれど、周囲の深い緑と濡れた岩、そして水の音。


その場に立ってみると、写真を撮るには十分すぎるほど魅力的な場所だった。


ここでもズミルックスを取り出し、静かにシャッターを切る。


繊細な描写のおかげで、冷たい水の気配まで写し取れたような気がする。


短い距離だったが、ここまで来ただけでも十分楽しめた。


……ところが。



滝の先を見上げてみると、景色が一変する。


そこにあるのは、整備された遊歩道というより、急な斜面と岩場。


小さな沢を渡り、ときには手も使いながら登っていかなければ進めないような場所だった。


スマートフォンを取り出し、その先の険しさを一枚収める。


これは、軽装で気軽に進んでいい場所ではなさそうだ。

案内板にあった「一の滝まで1時間」という意味も、ここまで来て少し分かった気がする。


本格的に滝めぐりをするのであれば、それなりの登山装備と心構えが必要だろう。

今回はここで引き返すことにした。


無理をして先へ進む必要はない。


無事に帰るまでが旅だ。


バッグの中には、まだ使っていないレンズもある。


けれど、それを全部使い切ることが目的ではない。


短い時間でも、深い緑の森を歩き、苔むした岩や小さな流れを眺め、最後には手洗い滝まで辿り着いた。


それだけで十分、ライカを持ってきた意味があった。


山が教えてくれた静寂と、ほんの少しの険しさ。


それを胸に刻みながら、足をもと来た道へと向ける。


そして、ロードスターの待つ駐車場へと戻っていく。


第三章へ続く

ゆう
ゆう

旅行とカメラが趣味のゆうが撮影した写真をただただ紹介するだけのブログです。頑張って更新していきます。