4つの諏訪大社
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諏訪大社には諏訪湖をぐるりと取り囲むように4つの社がある。
具体的には二社四宮となりそれぞれ
-上社(かみしゃ)-
・本宮(ほんみや)(長野県諏訪市中洲宮山)
・前宮(まえみや)(長野県茅野市宮川)
-下社(しもしゃ)-
・秋宮(あきみや)(長野県諏訪郡下諏訪町武居)
・春宮(はるみや)(長野県諏訪郡下諏訪町下ノ原)
である。
今回は折角なので今日一日を使って各社回ってみることにした。
諏訪大社には何度も足を運んだことがあったが、冬に行くのは初めてかもしれない。
諏訪の祭祀の発祥の地 上社前宮
さて、まず向かったのは最も古いと言われる前宮である。
元々諏訪信仰はこの前宮から始まり古くから上諏訪の中心地として栄え、御頭祭・蛙狩神事に見られるように狩猟民族的な信仰を行っていた。
だが、近世以降は北方の高島城城下町近辺が中心地となり、甲州街道の上諏訪宿も設けられ、今は上社周辺と下社周辺を比べるとその発展っぷりは一目瞭然なのだが、個人的には古き空気が漂う上社の方が好きだったりする。
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上社前宮の大鳥居の前には、道を挟んで駐車場があり参拝客はそこに車を停めて参拝することが出来る。
ただ、脇道からグルっと境内の上の方まで車は登っていくことができ、更に奥の拝殿前にも車は止めれるので足の悪い人も安心だ。
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まだ雪の残る境内の中を歩いて行く。
参拝客は少ないようだが、ちらほら見かける。
きっと私と同じ観光客がメインだろう。
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奇祭と呼ばれようとも御頭祭や蛙狩神事などはこの地に伝わる伝統的な神事であり、それをやめてしまうのは忍びない。
流石に最近は動物愛護的な観点から御頭祭は以前のようにはできなくなり、また蛙狩神事も毎年のように動物愛護団体が神社に押し寄せシュプレヒコールを上げるらしい。
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まぁ、そんな世の中なので御頭祭が消えるのも仕方のないことなのだが、実際この地でも鹿が増えすぎて農業などで被害が出ているらしい。
こういう世だからこそ御頭祭を復活させてもいい気がするが・・・。
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ちなみに御頭祭自身はなくなったわけではなく作り物の鹿の首などを使って行われている。本来は70頭ほどの鹿の首やイノシシ、うさぎなどを生贄として捧げ執り行っていたらしい。
しかし、一般的に神社は清浄な場所であり、穢れとされる畜生は出入りすら禁じていたりする。
そんな場所でバッサバッサと獣の首を落として並べるのだから傍から見て御頭祭が奇祭と呼ばれるのも仕方がない。
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ふとここで考える。
鹿と神社の組み合わせといえば、かなり有名な場所があるではないか。
そう、奈良県春日大社である。
ここでは鹿は神聖な生き物として重宝されてきている。
しかし、ここ諏訪の地では鹿は神に捧げられる生贄なのだ。
奈良県春日大社で祀られているのは武御雷神(タケミカヅチ)。
そう、御神こそ出雲の国譲りの際に諏訪大社で祀られている建御名方神(タケミナカタノカミ)を負かし、諏訪の地へと追いやった張本人なのだ。
この地で鹿が捧げられているのもその辺の因縁が関係しているのかもしれない。
神話とは何も全く何も無い処から生み出されたものではなく、必ずルーツがある。
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なぜこの地には土着信仰があったのか。
なぜこの地に諏訪信仰が広まり、建御名方命を祀りだしたのか。
なぜ建御名方命は武御雷に負けて出雲から諏訪の地にやってこなければいけなかったのか。
恐らく何千年も前から続くこの地での人類の歴史を、こういった今に残る神社からも垣間見れるのはとてもロマン溢れることだと思う。
そんな思いを馳せながら、始めの社のお参りを済ませた。
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