ここまで、エクステリアとインテリアを見てきました。
第3回はいよいよ試乗です。
今回も試乗ルートはいつものコース。
歴代CX-5を試乗してきた身として、そして数ヶ月前にはモデル末期の2代目CX-5にも乗ったばかり。
新型CX-5の走りがどう変わったのか、じっくり確かめてみました。
走り出して最初に感じたのは「乗り心地がいい」
実際に走り出して、まず感じたのがこれ。
「乗り心地がいい」
路面のギャップを軽くいなしてくれる。
大きな段差を越えたときも、ガツンとした突き上げが少ない。
その後に車体がいつまでもフワフワ揺れるような、不快な揺れも少ない。
このあたりは、以前試乗したCX-60と比較するとかなり分かりやすい違いでした。
CX-60は、路面によっては「ちょっと硬いな」と感じる場面がありました。
それに対して新型CX-5は、もっと素直に路面の凹凸を吸収してくれる。
「快適に走る」
という意味では、かなり好印象です。
2.5Lでも街中なら十分
今回の新型CX-5には、従来の2.2Lディーゼルがありません。
国内仕様では2.5Lガソリンエンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせた「e-SKYACTIV G 2.5」が搭載されています。
正直、ディーゼルCX-5に乗ったことがある身からすると、走り出した瞬間の印象はかなり違います。
2.2Lディーゼルのような、
「アクセルを踏んだ瞬間からグッと前に出る」
という力強いトルク感はありません。
ただ、だからといって遅いわけではない。
街中を普通に流して走る程度なら、2.5L NAでも十分です。
車体が大きくなったことで重さを感じるのではないかと思っていましたが、それもほとんど感じませんでした。
むしろ、今回のCX-5はパワーを求めるよりも、日常の中で気持ちよく走ることを重視した仕上がりになっているように感じます。
初代・2代目CX-5の武器だった「ディーゼル」
ここで、歴代CX-5について少し振り返ってみます。
初代、そして2代目CX-5には、他社にはない大きな武器がありました。
それが2.2Lディーゼルエンジンです。
パワフルな走りと低燃費。
ミドルサイズSUVでありながら、これだけ力強く走れて、しかも燃費も良い。
当時のCX-5には、
「ディーゼルだからCX-5を選ぶ」
という明確な理由がありました。
初代CX-5が登場したときに私が感じた「これは今までのマツダとは違う」という感覚にも、このディーゼルの存在はかなり大きかったと思います。
そして2代目へ。
モデル末期まで熟成された2代目CX-5は、個人的にはかなり完成度の高いクルマでした。
モデル末期の2代目は「踏めば踏むほど楽しい」
今回の新型に乗る数ヶ月前、私はモデル末期の2代目CX-5にも試乗しています。
そこで改めて感じたのが、
「やっぱりこのクルマ、よく走るな」
ということ。
アクセルを踏めば踏むほど、気持ちよく加速していく。
SUVなのに「もっと踏みたくなる」。
そんな楽しさがありました。
しかも、クルマにそれほど興味のない連れを乗せたときにも、
> 「これ、いい走りだねぇ」
と高評価。
クルマ好きだけでなく、普通に乗った人にも「走りがいい」と感じてもらえる。
それが2代目CX-5の強さだったと思います。
では新型はどうなのか?
正直に言えば、走りだけなら私は2代目ディーゼルの方が好みです。
やはり、あのトルク感は魅力的。
そして長距離を走ったときの燃費の良さも、ディーゼルならではの大きなメリットでした。
新型CX-5は、その部分を捨ててまで「快適性」に振ったように感じます。
だから、
「新型の方が走りが良くなった」
とは、私は感じませんでした。
むしろ、
「走りの方向性を変えた」
という表現が一番しっくりきます。
2代目ディーゼルが、
踏んで楽しむCX-5
だったのに対して、
新型は、
ゆったり流して快適なCX-5
になった。
そんな印象です。
CX-60と比べると、むしろCX-5の完成度が高く感じる
そしてもう一つ、比較しておきたいのがCX-60。
CX-60はマイナーチェンジでマイルドハイブリッドなどが加わり、トルク感がさらに増しているのかなと思っていました。
ところが実際に乗ってみると、個人的には初期型よりもモッサリした印象。
「ん? これはどういうことだ?」
となりました。
それに対してCX-5は、初代から長い時間をかけて熟成されてきたこともあり、クルマとしてのまとまりが非常に良い。
今回新型CX-5に乗って、
「やっぱりCX-5の完成度は高いな」
と改めて感じました。
ディーゼルを失ったCX-5は、何で勝負するのか
ただし、これは新型CX-5にとって大きな課題でもあります。
これまでのCX-5には、
「2.2Lディーゼルという唯一無二の個性」
がありました。
しかし新型には、それがありません。
では、これからCX-5は何を武器にしていくのか。
今回乗ってみて感じた答えは、
「走り」から「総合的な快適性」へ
ということなのだと思います。
広い室内。
広いラゲッジ。
乗り降りのしやすさ。
快適な乗り心地。
そしてマツダらしいデザイン。
一つ一つを突出させるのではなく、日常で使うSUVとしての完成度を高める。
それが今回の新型CX-5なのだと思います。
それでも、ストロングハイブリッドには期待したい
そして、個人的に期待しているのが今後登場するストロングハイブリッドです。
マツダは2027年中に、次世代エンジン「SKYACTIV-Z」と独自開発のハイブリッドシステムを組み合わせたCX-5を導入する予定としています。
これがどんな走りをするのか。
ここは非常に楽しみです。
個人的には、
「ディーゼルCX-5が持っていた力強さと燃費の良さを、今度はハイブリッドで再現してほしい」
と思っています。
もしそれが実現すれば、今回の新型CX-5に対する私の評価も、さらに上がるかもしれません。
走りだけなら2代目。でも……
今回の試乗を終えて、一番正直な感想を言えば、
走りだけなら、私は2代目ディーゼルCX-5を選びます。
あの力強いトルク。
踏み込んだときの気持ちよさ。
そして長距離での燃費。
この魅力はやはり大きい。
でも、新型CX-5はそれを補って余りあるほど、快適で使いやすいSUVになっています。
そして、ここまでエクステリア、インテリア、走りと見てきましたが、最終的に私が新型CX-5をどう評価したのか。
実は、かなり高評価です。
実際に買うかはストロングハイブリッドを見てからになりますけどね。
今後のマツダの動きにも注視していきたいですね。