今旅の本命、漆器を買いに行く
何を隠そう今回の北陸旅行の大本命は、この輪島で漆器を買うことだったのだ。
安いと言っても2万円を切るものから蓋付きの椀でも3万円ちょいで買える程度。
輪島朝市の通りの入口付近に店を構える。
多くは目玉が飛び上がるくらい高額な値札が付いている。
そう売れるものでもないのだろう。
それでも小さなぐい呑みでも万を超え、お椀で2万円オーバーは当たり前の価格だ。
相方が随分悩んでいた器が上の端反り椀。
結構手間のかかる仕上げらしく、これは値引きはするがそこまでは無理と言われた。
値段は42,350円。
いい値段だ。
結局、相方は普通の朱色の器をチョイス。
一度訪れ、改めて悩んでいたところ勉強してもらい1割引程度で買えた。
しかも売り物にならないからと輪島塗の夫婦お箸に菜箸をいくつかもらった。
大変ありがたい。
また、輪島に来た際には必ず訪れてみることにしよう。
”大徹 吉峰庵”のすぐ隣にも漆器屋がある。
”涛華堂 八井浄漆器本店”は”大徹 吉峰庵”よりもリーズナブルな値段で漆器が買える。
ただこの差はどこで出るか。
おそらくどちらも伝統的な輪島塗の技法で作られているだろう。
器の木材もどちらも国産と言っていた。
ただ漆が国産か海外産かの違いが大きく値段に出てきているに違いない。
”大徹 吉峰庵”はすべての素材は国産で仕上げている。
国産漆は生産数が少なく、どうしても漆器のコストがあがり売上も少なくなってしまうだろうが、本物にこだわる姿勢は確かなものがある。
一方、”涛華堂 八井浄漆器本店”を含め大半の輪島塗は中国産の漆を使用している。
別にそれが偽物だというつもりは毛頭ない。
使われている技法は輪島塗そのものだし、少しでも安いもの買い手軽に漆器を楽しむというのも悪いことではないと思う。
そもそも中国産の漆であっても輪島塗なら万はくだらないのだから。
ただ、私は国産漆の生産者を含め、日本産を応援したいという意味でも多少高くても日本産の漆が使われた漆器を使っていきたいなと思っている。
多くの漆器が漆ですらないウレタン塗装製品になっている今、肌に触れ口に入れるものはできるだけ本物を使っていきたいものだ。
そして今の店主になってから、貝殻アクセサリーを始めたんだそうな。
これまで脈々と受け継がれてきた技法に新たな素材を取りいれ、別の商品に昇華する。
とてもいい試みだと思う。
応援する意味でも1つブローチを買わせてもらった。
ここでも相当悩みに悩んだが、3つ上の写真にある稲穂のブローチをチョイス。
うちの相方は敢えて無難なフクロウや花がらなどではなく、稲穂を選ぶところが面白い。
さっそくそのブローチを麦わら帽子につけて、楽しい旅を続けることにしよう。
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