2024/02/10

その家は耐震性は大丈夫?〜家を選ぶとき気をつけること〜

災害は突然やってくる、それは他人事ではない


新年が始まり、皆が正月特番を見ながら家でくつろぎながら、今晩の夕食は何にしようか考えていたころ。 
突如としてそれは起こった”能登半島地震”である。 TVが速報一色になり、アナウンサーが津波に対する避難を必死に呼びかけているのを見て、私自身これは一大事だと実感したものだ。

今回の記事を書くに当たって色々調べていたのだが、実は過去10年間で最も地震が起こっていなかったのは富山県なんだそうな。
しかし、この地震では石川県能登半島周辺は言わずもがな、富山県内でも初めて震度5強を記録し、6000戸以上の住宅が被害にあっている。 

災害大国日本、ここに住む限り決して自然災害は他人ごとではないことを思い知らされる。

最近私も家を購入したが、家の購入にあたっては様々なことを調べた。
なんせ人生で一番大きな買い物である。

しかも、1度買ったらなかなか買い直しはできず、この先30年、40年と住み続ける家となる。
新築で建てる場合もそれはそれで様々な気苦労があるだろうが、中古物件を選ぶ時もそれなりに気を付けるポイントがある。

今回このブログでは住宅を選ぶときに気を付けること、どのような家が災害に強いのか改めて理解していただき、今後起こるであろう未曾有の大災害でも命を保つことができる家か確認していただくためのブログである。 


古い木造は要注意!!耐震基準とは?

家を設計する際には必ず建築基準法という法律に基づき設計される。
おそらく聞いたことがある方も多いだろう。

この法律はの目的は第1条にも書かれているが、“この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする”ことである。

ここで重要なのはこの法律が定めているのは【最低の基準】であり、またその基準ですら実際の地震には対応できず何度も改正を繰り返してきた歴史がある。

下記のグラフを御覧いただきたい。



こちらは2016年に発生した熊本地震の際、各築年数ごとの倒壊率を表している。

このグラフを見ると
昭和56年以前:倒壊28.2% 大破17.5%
昭和56年〜平成12年:倒壊8.7% 大破9.7%
平成12年以降:倒壊2.2% 大破3.8%
となっている。

築年数が新しいものほど倒壊率が低くなっているわけだが、このグラフにある昭和56年以前、昭和56年〜平成12年、平成12年以降という区分はそれぞれ建築基準法の改定の時期を表している。

ただ、建築基準法が出来たのは1950年。
それ以降に建てられた建物は必ず建築基準法を守るよう建てられているはずである。

しかし、未曾有の大地震が起こったときには、いかに法律を守っている建物であっても倒壊するリスクが有る。
法律は決して万能じゃないことを肝に銘じていてもらいたい。



ちなみにだが、1981年(昭和56年)以前の建物は旧耐震基準、1981年以降の建物を新耐震基準と呼ぶ。

一般的に旧耐震基準の木造などは倒壊のリスクが高いため、中古物件でも進んで選ぶべきではないだろう。

できれば2000年以降の現行耐震基準の物件をオススメする。

ちなみに私が買った家は新耐震基準の家である。
現行耐震基準の家ではないため、本当に耐震性があるかよく吟味する必要がある。

地震に強い家とは?

家を選ぶときどのような要素があるだろうか?
今回は下記の3点について考えていく。

1:建築素材の違い 
2:構造の違い 
3:地盤の強さ 

1.建築素材の違い


まず、戸建てで考えた際考えられる素材が
・木造
・鉄骨造
・RC造
の3種類だ。

その特性をまとめたものが上の表となる。
これだけ見たら木造がかなり優秀に見える。

この表は木造メーカーのものを引用しているため、そのような結果が出ているのかもしれない。
・・・果たしてそうだろうか?

多くの人は木造より鉄骨造が、鉄骨造よりRC造の方が強いと思っているだろう。


だが、実際に引張強度を比べてみたら木材は鉄の2.5倍、コンクリートの235倍の旧黄土を持つ。
また、圧縮比で見ると鉄の1.2倍、コンクリートの11.7倍の強度を持っている。

え?嘘だ!?木はポキっと折れやすいけど鉄やコンクリートは頑丈じゃないかと思う人もいるだろう。
上の表はあくまでも同じ重量での対比なので注意が必要だ。

ただ、木材は鉄やコンクリートとより圧倒的に軽く、かつ強度も十分ある素材と言える。




また、断熱性に関しても木は鉄やコンクリートより熱伝導率が低い。
これに関して言えば、RC造のマンションなど夏場はかなり暑いことは実感できるだろう。

一方、木造の城や5重の塔などは夏場でもどこか涼しげだ。

なら、木造が一番優れた素材でありデメリットはないのかと言うとそうでもない。



木造の弱点は燃えること、そして腐ることだ。
そのため、耐火性や耐久性に関して言えば、鉄骨造やRC造より劣る。


2.構造の違い

続いて構造について見ていこう。


木造住宅と一言で言っても大きく分けたら在来軸組工法と枠組み壁工法(2×4工法)がある。
地震の揺れに強いのは枠組み壁工法だ。



ただ、最近は在来工法と2×4工法の長所のいいとこ取りの工法などもある。
そもそも、いずれの工法を選んだところで耐震基準は現行法を守って作られている。

新築の場合はそこまで気にする必要はないだろう。

では中古物件の場合はどうだろうか?
中古物件の場合で特に2000年以前に建てられた、現行耐震基準で建てられていない物件の場合を考えていこう。

現行耐震基準で新たに追加された項目は『壁の配置バランス』、『基礎形状』、『接合金物の仕様』などだ。

壁の配置バランスとはどういうものか。



このように開口部が多い家は要注意。
窓は地震に対して著しく弱い。



家の形状で言うとシンプルであればあるほど地震に強くなる。



あとはこのような点に該当する家は要注意。
中古物件を見に行く際は、外見からも確認できる上記のような点に気をつけながら選んでいこう。

3.地盤の強さ

最後に地盤の強さについて話していこう。
たとえ耐震性を上げた家に住んでいたとしても、地盤が弱いと意味がない。


皆さんも液状化という現象を聞いたことはないだろうか?
埋立などによって作られた土地は水を多く含み、地震の振動により水が地中から上部に押し出される。


こうなってしまっては、如何に強固な家を建てていたとしても家自体が傾き倒壊してしまうのだ。



また、液状化しない家であっても地盤が弱い土地に対しては、重い家より軽い家の方が地震に対して有利となる。
切土でなく盛土で造成された土地は要注意だ。



こうしてみると海に近い位置はたいへん揺れやすい。
私が家を買う際は最低でも砂礫層、できれば岩盤の土地を購入していきたいものだ。

ただ、その土地の地盤や家の構造などどうやって調べていけばいいの?というかたもいるだろう。

次回のブログでは、実際に私が家を購入する際どうやって調べていったか紹介していこう。
実はとても簡単な方法で、その家の構造や地盤がどういうものか知ることができる。

皆さんも家を買う際は是非試してみてもらいたい。
ゆう
ゆう

旅行とカメラが趣味のゆうが撮影した写真をただただ紹介するだけのブログです。頑張って更新していきます。

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