2024/02/10

素人にも分かる中古物件の調べ方

入手できる資料、できない資料


前回は耐震性について色々書いてきた。
耐震性以外にもこれから買おうとしている物件が、ちゃんとした物件かどうか調べるには自分で調べるか専門機関に判断してもらうしかない。
というのも、その物件を取り扱っている不動産屋に聞いても、相手は不動産取引のプロではあっても建築のプロではない。
建築物がどういったものか詳しい話は期待しないほうがいい。

それに不動産屋が馬鹿正直にその物件の情報を提示しているとは限らない。
やはり、自分が買いたいと思った物件の情報は、自分で分かる範囲は自分で調べたほうがいいだろう。


建築確認申請 入手難易度:★★★★★


さて、前のブログでも書いたが建築物を建てるためには建築基準法に基づく「建築確認申請」を行う必要がある。
よってすべての物件は建築確認申請が検査機関に提出され審査を受けているはずなのだ。

逆を言うとこの申請がされていない建物は法律違反の建物となる。
そういった建物は購入すべきではないだろう。

ただ、困ったことに申請がされていても申請原本が残っているかは、建築主がちゃんと保管しているかにかかっている。
何人も所有者が変わっている建物などは建築確認申請書類が引き継ぎされていない可能性もある。

築年数が経った建物ならその時点で建築確認申請書類を入手は諦めるしかない。
ちなみに私が購入した物件も建築確認申請は残っていなかった。

築20年以上の建物については残っていなくても不思議ではない。
ただ、築15年未満の物件については設計事務所に建築確認申請の控えが残っている可能性がある。

建築主が所有しておらず、築年数の浅い建物ならば当時設計を行った設計事務所に問い合わせしてみるのもいいかもしれない。

建築確認申請書類があれば『耐震性のチェック』や『今後のリフォームの際の図面』に利用できる。必ず買おうとしている物件に建築確認申請書類があるか確かめよう。


建築計画概要書及び検査済証 入手難易度:★★☆☆☆


建築確認申請書類が手に入らない場合もその簡易版なら手に入るかもしれない。
それがこちらの建築計画概要書である。

建築確認申請を行う際にその概要を記した書類となり、これは行政の方で永年保存されている。
古すぎる物件については概要書ではなく台帳のみ残っている場合があるが、築20年や30年程度の物件であれば確実にある。

不動産会社も物件を扱う際は必ず手に入れる資料であり、物件の内覧時でも聞けば貰える可能性がある。
また、自分で役所に趣き、申請を行えば1部300〜500円程度で発行が可能だ。

建築計画概要書ではその建物を建てた「施主」「設計者」「施工者」から建築物の「種別」「高さ」「構造」「敷地面積」「建築面積」「延べ面積」「高さ」などが記されている。

また、きちんと建物が建てられたか「検査済み」の記載もある。
ただ中には検査済みを受けていない物件もあるので注意が必要だ。

一昔前は建てる前の審査「建築確認申請」は厳密に行っていたが、建てたあとの検査「完了検査」は無視されることも多くあった。
2000年前後ですら検査済みが行われている物件は38%と言われている。

検査を受けていない物件が約4割ではない、検査をきちんと受けている物件が約4割なのだ。
よって築20年前の物件を買う場合は必ず「検査済み」が行われているかどうかチェックしよう。

下手したら申請した建物と全く別の建物が建っていても不思議ではないのだ。

建築計画概要書は必ず確認しておきたい。『検査済み』がない物件は下手をしたら『ローンが組めない』可能性もある。また『違法建築物』かもしれない。要注意が必要だ。



古地図 入手難易度:★★★★★


家を買うとき今建っている家だけではなくどのような土地に建てられているか調べることも重要だ。
昨今、毎年のように洪水や土砂災害などのニュースが報道される。

そうした自然災害は過去に何度も起こっている土地もあるが、開発されたことによりその痕跡がなくなっている場所もある。
地名においては水系の文字が入っていたり、地獄や蛇など入っている地名は過去に土砂災害が起こったとされている。

今昔マップでは昔の地図を調べることができる。
ただすべての敷地を網羅しているわけではない。

他にも各自治体のHPで昔の地図など公開されているところもある。
また、図書館に行って調べるという手もある。



また、国土地理院では過去の空中写真を無料で閲覧することができる。
試しに私が昔住んでいたマンションがどんな土地に建てられていたか確認してみよう。


こちらが1975年の写真である。



そしてこちらがGoogle Mapで撮った現在の空中写真。
これをPowerPointなどを使って重ねていく。

最新のPowerPointは透過機能があるのでこういうことをするには最適だ。


周りの地形地物を参考に2つの地図を合わせていく。
そして自分が調べたい物件に印をつける。

そのあと、現在のマップを取り除くと・・・。



どうです?
見事な畑が広がっているではないですか。

もと田んぼや池、大規模な埋め立てを行った土地は注意が必要だ。

このように家の情報を得るにはいくつもの方法がある。
どこまで細かく調べるかはその人次第ではあるが、買ったあとで後悔しないよう気をつけていきたい。
ゆう
ゆう

旅行とカメラが趣味のゆうが撮影した写真をただただ紹介するだけのブログです。頑張って更新していきます。

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