今日、矢田寺に行った時折角なんで私はいくつかのレンズを試すことにした。
その中の一つがこのライカレンズ「ズミタール SUMMITAR 50mm F2.0」である。
開放F2.0という明るさを持ち、比較的安価で手に入るライカレンズだ。
今回はこのレンズを矢田寺あじさい園で試すことにした。
開放で撮影しても中心部はしっかり解像している。
色味もボケも悪くない。
だが、光源の位置によっては開放時このようなズミタール特有のボケ方をする。
ネットではぐるぐるボケなど言われているがなるほど。
確かに渦巻くようなボケ方だ。
中心の方は割と円形なのだが端に行くほど楕円の二重ボケになるので渦巻いている様に見えるのだろうか。
最近のレンズであればこれは汚いボケとしてあまりいいレンズと評価されないのであろう。
実際、ズミタールの相場は他のライカレンズよりやや安いように見受けられるが、このボケ方がその理由の一つかもしれない。
しかし、開放から割りとシャープでしっかり絞ればぐるぐるボケも多少はましになるらしい。
マウントアダプタでは絞りが後で確認できないのが悔しいところ。
まぁ、背景を考えて撮ればぐるぐるボケなどに悩まされることもない。
手前のボケはソフトフォーカスような写りになり奥はぐるぐる。
なんとも面白いレンズだ。
優等生ではなくこういう癖のあるレンズのほうが返って長く使えるものである。
だが、それはあくまでオールドレンズだから許容できるのであって最新レンズではボケが騒がしいレンズは好きではない。
シグマのレンズは昔からボケが騒がしいと言われ、実際私も24-70mm F2.8でそれが実感できたためほとんど使わなくなった。
オールドレンズには写りだけじゃなくレンズそのものが醸し出す空気というか雰囲気がある。
そのなんとも言えない存在感が好きなので癖のある玉でも使い続けようと言う気になるのだろう。
今回購入したヘリコイド付きマウントアダプタならここまで寄って撮影が行える。
オリンパスPENやNEX-6でオールドレンズを使っていた時は使えることは使えるがあくまでおまけでメインは最新レンズを使うというスタイルがもっぱらだった。
あえて外に持ち出してオールドレンズを使うという気にはならなかった。
しかし、このα7ならオールドレンズの性能を100%引き出すことができるだけでなくフィルムより手軽にそして撮影後の修正も容易に行えるのだ。
修正などというとどこか嘘臭く感じる方もいるかと思うが、Photoshopでレタッチするとかでなく露出補正やノイズ除去など現地の設定が万全でなくてもあとからRAWでいじれることは撮影時の気持ち的な負担を大幅に除去してくれる。
α7は液晶の質がだいぶいいので現地でもどのような絵がとれたかある程度は把握できるが、これがいつも使っているD2xとかになると液晶で撮った絵を確認してもちゃんとピントが合っているの確認すら難しい。
そういった場合、ある程度カメラに任せ最終的な味付けをこちらでした方がいいのだ。
このα7はとてもいいカメラだ。
オールドレンズを使って撮影していても全然ストレスなく撮れる。
特にピント合わせの拡大ズームはこういったEVF機にしか出来ない芸当だ。
このように等倍で見てみてもしっかりピントが合っている。
しかし、このズミタールもよく写るレンズである。
本当に50年以上前のレンズなのかと疑いたくなってくる。
そして50mm単焦点はいい。
撮ってる写真に無理が見えない。
本当に自然な形で目の前が切り出せるのだ。
初めて50mm単焦点を使われる方はその画角の狭さに驚くかもしれない。
どこが標準レンズだと煩わしさを感じるかもしれない。
しかし、そのレンズだけを装着し1日撮影してみて欲しい。
きっと出来上がった写真は自分が見てきた風景以上にこの世界をしっかり写しこんでるはずである。
ズミタールは昔のレンズなのでこういった明暗がはっきりしている風景は苦手だと思っていた。
実際、明るい部分は白飛びしているが想像以上に木陰の葉が解像している。
こちらも薄暗い木陰から明るい部分を撮影したのだが、全然問題ない。
う~む、このα7というカメラを過小評価していたのかもしれない。
この矢田寺のあじさい園というのは本当に面白い庭園だ。
ここまでの写真を見て頂いても分かるように同じような風景は全くない。
割と大きな敷地にただ漫然とあじさいが植わっているのでなく、小川が流れる谷間を縫うように通路が通っており、それを囲むようにあじさいが植わっているのだ。
坂をアップ・ダウンしながら見学するルートはさながら巨大迷路のよう。
この階段を登れば・・・あの角を曲がれば・・・。
一体どんな景色が広がっているのかとワクワクしながら見学ができる。
そしてたまには振り返ってみてみてもいいかもしれない。
そこにはまた新しい景色が広がっているはずだ。
ここでちょっと写し方を変えた写真を2枚アップしてみよう。
何が違うかお分かりだろうか?
そう、ピントを合わす位置を上は手前、下は奥にしてみた。
皆さんはどちらの写真がお好みか?
写真に正解なんてない。
自分がいいと思える写真が正解なのだ。
こう木々が生い茂る場所ではカメラとレンズの性能がもろに出る。
解像度の低いレンズなどでは葉がもやっとしてしまうだろう。
しかし、そんな心配はα7とズミタールでは少しも必要でない。
上の写真の中心部を等倍に切り出したのがこちら。
あじさいの花びら1枚1枚までしっかり解像している。
そして右端を等倍で切り出したのがこちら。
少し流れており中心に比べもやっとした描写だがそれでも葉が潰れるようなことにななっていない。
さすがはライカレンズだ。
これは綺麗なボケが出てくれた。
これは結構絞って撮ったのだろうか。
きれいな円形のボケがいいアクセントになっている。
写真はコレで最後。
今年も矢田寺は最高だった。
少し曇った天気もあじさいを撮るにはちょうどいいディフューザーだ。
さて、次回で矢田寺で撮った写真紹介を終えようとしよう。
折角買ったタムロン 15-30mm F2.8でも撮影してきたので次回はその写真を紹介しようと思う。
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