2015/06/01

TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)とニコン AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDを比較してみて

明るい広角レンズが欲しい。
このブログでも何度か話してきたが、今回ヤフオクにて幾つかいらない機材を処分し予算ができたので改めて明るい広角レンズを買おうと思ったのだ。


TAMRON 大口径超広角ズームレンズ SP 15-30mm F2.8 Di VC USD ニコン用 フルサイズ対応 A012N
by カエレバ

目をつけたのはこの「TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)」だ。
去年の12月に華々しくデビューしたこのレンズはF2.8通しの広角ズームレンズにおいて手振れ補正機構を搭載したということで結構話題になった。
タムロンと言えば標準ズームの「SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD (Model A007) 」でも手振れ補正機能を搭載しており、このレンズの登場によってタムロン製のF2.8通しの通称大三元レンズと呼ばれる広角、標準、望遠の3本のレンズが手振れ補正機構搭載となったわけだ。
これは純正レンズと比べても大きなメリットとも言え、値段の差だけでなく使い勝手という点においても純正レンズからリードする形となった。
しかし、「SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD (Model A007) 」においては純正レンズと比べ描写がそこまでいいかとい言われればあまりいい評価は聞かない。
もちろん、純正レンズの半額以下の値段にしては良い描写だろうがその程度という評価だ。

これまでF2.8通しの超広角ズームレンズといえばニコンの「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」が有名であった。



14mmという超広角からのスタート。
開放から高い描写力を誇り、他の広角ズームと比べても色収差、歪曲収差、周辺減光などを圧倒的に低減したクラス最高レベルの広角ズームレンズである。
ニコンのF2.8通しズーム、大三元レンズの一角を担うこのレンズは大三元レンズの中でも特にその描写の良さで有名で、単焦点レンズよりもキレイに写るズームレンズとしても名が高い。
また、人気も高く中古価格もなかなか値下がらないのだ。

今回は少し無理をしてニコン「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」の中古を買うかそれともタムロン「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)」の新品を買うか。
その2つに焦点を絞り考えていくことにした。

まず値段だが、
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED 新品:実売約18万円 中古:約15万円
SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012) 新品:実売約10万円 中古:なし
となる。
新品で買うことを考えたら約8万円の差がある。
とはいえ「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」は実売29万円のレンズなので半額程度に値下がりしてはいるのだ。
コレはある意味超特化価格と呼べるかもしれない。
また、「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)」は実売約10万円であり定価が14万円程度なのでこれも今のタイミングで買ってもそこそこお得だといえる。


値段で決めるなら間違いなくタムロン「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)」だろう。
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」の中古と比べても5万円の差はデカイ。
もちろん、「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」には純正レンズというニコン使いならこれ以上ない付加価値があるわけで1mm広い画角も捨てがたい。
また、発売が2007年と古いこともあるがその性能は確かなもので今のニコンの最高峰を使いたいという気持ちはある。

SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)」は超広角ズームレンズにしてはワイド端が15mmとおとなしい。
今まで持っていたシグマ12-24mm F4.5-5.6 EX DG と比べると3mmも差が出てくる。
広角の1mmは結構大きな差である。

使い勝手を考えると一長一短といったところ。
ただ描写の方はどうだろうか。
上記はメーカー公式HPのMTF(Modulation Transfer Function)曲線図である。
MTF(Modulation Transfer Function)曲線図とは被写体の持つコントラストを、レンズを通してどの程度忠実に再現できるかを表したものでレンズ性能を表す尺度のひとつとして利用されている。
MTF曲線図の10本/mm(低周波)のカーブが1に近いほどコントラストの再現性がよく、ヌケの良いレンズとなり、30本/mm(高周波)のカーブが1に近いほど解像性のよいシャープなレンズとなる。

こうやって見ると「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)」のMTF曲線図が「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」よりも高性能に見える。
中央から周辺にかけて10本/mm(低周波)も30本/mm(高周波)もより高いコントラスト値を示している。
もちろん、MTF曲線図だけでは性能のすべてを決めることはできないが「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)」が高性能なレンズであることは期待できる。

また、デジカメinfoにてLens Tipのレビューがまとめられているがそこには

  • 中央の解像力は全ての焦点距離で均一で、開放から既に素晴らしい解像力(37-41lpmm前後)だ。F4-5.6に絞ると45lpmmに達し、これは高性能な単焦点レンズに匹敵する。ここでは批判する点は見当たらず、称賛あるのみだ。
  • タムロン15-30mm F2.8とニコン14-24mm f/2.8は、どちらも我々のテストで同じような好成績を収めているが、もし勝者を決めるならタムロンだ。しかし、その差はごくわずかだ。タムロンのアドバンテージは光学性能だけでなく、価格もニコンよりも安価で、手ブレ補正も搭載されている。
    と記載されており、
    • 良い点: しっかりした鏡筒、中央の驚くべき画質、フルサイズ周辺部のまずまずの画質、軸上色収差が無視できる、倍率色収差が適切に補正されている、球面収差がわずか、コマ収差に大きな問題が無い、非点収差がわずか、高速で静かで正確なAF、ライバルよりも安価な価格。
    • 悪い点: フルサイズでは歪曲が顕著、逆光耐性が今一つ。
    とある。
    悪い点の歪曲と逆光耐性は広角レンズの宿命とも呼べるものなので、どの広角レンズを買ってもついてくるものだ。
    そしてその描写は「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」にも負けず劣らず、手ぶれ補正と価格を考慮すれば「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)」が勝者とまである。
    ここまで書かれたらもうほとんど「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)」に気持ちは傾いていた。

    実際の描写テストではこのサイトが参考になるだろう。
    このレビューサイトで「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)」と「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」の画質を比較してみても中央ではそこまで遜色がないように見え、周辺部では「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)」がやや上に見えるのだ。

    長々と理由を書いたがこれらの経緯もあって今回は「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)」を購入することにした。
    タムロンのレンズを買うのは初めてだし、ましてや新品で10万円以上のレンズを買うのも初めてのことだ。
    購入先は価格コムにて最安価に近く評価の高い店で買うことにした。
    届いたら実際レンズと写真の評価も行っていくことにする。
    ゆう
    ゆう

    旅行とカメラが趣味のゆうが撮影した写真をただただ紹介するだけのブログです。頑張って更新していきます。

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