2016/02/21

醤油誕生の地 湯浅町散策


今日は和歌山県まで墓参りに行ってきた。
昔は毎年夏に電車で墓参りに行っていたが、最近は遠方と合ってご無沙汰だった。
ついでに色々立ち寄る用事を作り赴いたというわけだ。


まず初めに訪れたのがこちら。
和歌山県のやや北部にある有田郡湯浅町である。
湯浅町は和歌山らしく柑橘類などの産地とも知られているが、最も有名なのはやはり「醤油」であろう。
紀州藩の保護のもと醸造業が発達し、日本でも有数の醤油どころである。


ただ昔は数多くの醤油の老舗が並んだこの街も近代化に伴いその数を減らし、創業以来一度も途切れず醤油の生産を続けているのはわずか1件のみとなった。
それが今回の目的でもある老舗の調味料メーカー「角長(かどちょう)」である。


湯浅と聞くとその名を冠する「湯浅醤油」をイメージする方が多いと思うが、湯浅醤油は一時期不採算を理由に醤油造りをやめていた。
親会社が金山寺味噌製造の名門であり、醤油造りをやめた後も他の商品の製造を行っていたが道路整備などの影響で国道沿いにあった販売店の売上が激減し、テコ入れと地域活性化ために再び醤油造りを再開し、マスコミなどでも取り上げられるほど有名になった。


一方、角長は規模こそそこまで大きくないが、上の看板にもある通り天保12年(1841年)から創業の老舗であり、今も創業当時の製法を守っている唯一の醤油蔵である。
湯浅醤油の醸造元の中で、唯一「湯浅たまり」という製造法を継承しており、その蔵は天保時代から170年近くたった今も使用され続けられており、その蔵の天井や梁、桶などには醤油製造に絶対不可欠な酵母が白く付着しているのである。


はじめに入った博物館では係員の人に案内されながら、湯浅の醤油の歴史や角長の醤油造りに対するこだわりなどの説明を受けた。
その後、この地区をぶらっと散歩したわけだ。
角長の醤油蔵のある町並みは湯浅の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、今もなお昔の面影の残る町並みを見ることが出来る。


ちょっと狭い路地を入って行くと湯浅まちなみ交流館という観光客用の休憩所があり、外にいるお爺さんが「ちょっとお茶飲んでいけ」と中に通してくれた。
中はいくつかのテーブルがあり、恐らくボランティアの方だろうがお茶を用意してくれたり話を色々してくれた。


手作り感あふれる餅を頂いたり、お茶を飲みながらこの辺のことを聞きながら、この街の人は本当に活気があるなぁと感心した。
最初に行った角長の博物館にしてもそうだが、こちらが道に迷っているとあちらこちらから人が現れ案内してくれるのだ。
皆がこの街に誇りを持っており、訪れる人々を精一杯の気持ちで歓迎しようという気持ちがひしひしと伝わってきた。


これが湯浅の風土なのだろうか。
久しぶりに人の温かさというか優しさをこれでもかというほどこの身に受けた気がする。
このような土地で作り続けられてきた醤油は一体どんな味なのだろう。

おみやげに角長が10年に渡る歳月をかけ創りだした醤油。
火入れも搾りも濾過も行わなず鎌倉、室町時代に造られていた醤油を再現した「濁り醤」(にごりひしお)を買って帰った。
少し濁ったその醤油は通常の醤油と違い圧搾しないため生産量もごくわずかで、どれだけ生産できるかも出来てからでないと分からないという。
一体どんな味なのか、その味についてはまた今後レビューすることとしよう。
ゆう
ゆう

旅行とカメラが趣味のゆうが撮影した写真をただただ紹介するだけのブログです。頑張って更新していきます。

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