今日訪れたのは岡山県赤磐市にある「石上布都御魂神社」です。
まず、この神社を語る上で外せないのが奈良県天理市にある「石上神宮」。
おそらくこちらの方は有名なので石上神社と聞くと奈良県の石上神宮を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
奈良県の石上神宮のご神体は布都御魂剣(ふつみたまのつるぎ)と言う剣でそこに宿る布都御魂大神(ふつみたまのおおかみ)を祭神として祀っています。
この布都御魂剣ですが、神話内で様々な重要なシーンで登場しますがその一つに素盞鳴尊が八岐大蛇を退治した時に使用した剣としても伝えられています。
ちなみに素盞鳴尊が八岐大蛇を退治した後、その尾から剣が出てきてそれがかの有名な「草薙の剣(正式には天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)、三種の神器の一つですね)」なのですが、布都御魂剣は退治する際、草薙の剣に当って欠けてしまった逸話もあります。
また葦原中国平定のときにタケミカヅチが布都御魂剣を逆さに海に挿し、その上であぐらをかいて大国主を威圧したりしたときにも布都御魂剣は登場しますが、奈良県の石上神宮には素盞鳴尊が持っていたものとタケミカヅチが持っていたもの両方が収められているそうです。
さてさてこの布都御魂剣(別名は十束剣)ですが、素盞鳴尊が持っていたものは八岐大蛇を倒した後に今日訪れた石上布都御魂神社に祀られ、その後奈良の石上神宮に移されたそうな。
つまり、石上神宮のルーツの一つとも言えるわけです。
石上神宮では布都御魂剣に宿る神を祀っていますが、この石上布都御魂神社では先の伝承からか祭神は素盞鳴尊となっております。
というわけで、石上布都御魂神社がどういう神社かご理解いただけたらいよいよ山登りをしていきましょう。
この神社は、駐車場からちょっと上がったところに拝殿があり、そしてそこから山を登りかなり上の方に本宮があります。
もともとこの神社の神体は山頂付近の巨石だったらしく、神が天下る磐座と伝えられています。
駐車場から5分ほど坂道と石段を登ると手水があります。
そこまでの道も割りと勾配がキツくちょっとした運動になります。
手水の案内には結構ファンシーな絵が・・・。
そして手水から階段を数段上がると拝殿がある場所に着きます。
ここまでは簡単にいけますが、本番はここから。
この拝殿の左側に本宮(奥社)へ続く道があります。
さて今日はこの本宮を見るのがメインなのでガンガン進んでいきます。
木々が鬱蒼としており、どこか神秘的な空間です。
休日だというのに人も少ないですね。
そして途中からはかなり急な石段に変わります。
意思の坂道:93歳のご婦人が杖も使わずに制覇
それ書く必要あるのか・・・?
何やら挑発的な看板があります。
よっしゃぁ!いったろやないかい!と進んでみますと、コンクリートで整備されたところは途中までであとは完全な山道です。
どなたでもウェルカムモードじゃないところがまた好奇心を揺さぶりますね。
今はやれバリアフリーだやれ安全性だなどなど様々な理由から遺跡や文化財に遊歩道つけたりエレベーターや階段を別に設けたりしますが。
個人的にはそのままでいいところはそのままでいいと思うんですよねえ。
歴史的な建造物の中にエレベーターとかあったら正直興ざめでしょう、いやどこの城とか言いませんが。
もちろん、どんな人でも見れるように配慮するのは悪いことじゃないと思います。
でも、アミューズメントパークとこういった場所は違うのですから、ある程度の線引はしたほうがいいんじゃないかというのが私の考え。
だって万里の長城とかに動く床が付けられたりしたらガックリくるでしょう。
まぁ、そういった歴史的文化財とこのような寺社は性質が違いますが、険しい参道もそれを超え、お参りすることが一つの願掛けのプロセスとも言えますから、この神社はこれからもこうあって欲しいです。
人が多くなるとどうしても事故とか起こりやすくなるので仕方ないんでしょうけどねぇ。
あの天空の城で有名になった竹田城とかも観光客が大勢押しかけ、見学ルートの石垣が不安定なんで結局登るの禁止になりましたしね。
地元としては観光客が増え金を落としていってくれないと維持管理すらできないので仕方ないとは思いますが、難しい問題です。
さてさて、そんなこと思ってるうちに本宮前の石段まで来ましたよ。
ここまでいくつかのつづら折りの坂を登ってきてですから、結構疲れました。
てか汗をかなりかきました。
さて最後の階段は迫龍の階段らしくその形状が龍に似てるらしいです。
てか、この看板は誰が作ってるのでしょう?
結構遊びがあって面白いです。
ちなみに上から見たらこんな感じ。
なるほど、龍みたいにうねってますね。
そしてやって来ました、ここが本宮です。
思ったよりも小さいですか?
実際、元々の本宮はもっと大きかったらしいですが、明治末に火事で消失してしまったらしいです。
勿体無いですねぇ。
ちなみにこの辺ぐるりと大きな岩がありまして。
これが磐座ですね。
危ないので途中ロープが張ってあり入れないようになってます。
てなわけで、石上布都御魂神社見学はこれにて終了。
いやーいい運動だった。
登ってくるまでの雰囲気もかなり良かったですね。
森のなかというより完全に登山でしたが・・・。
皆さんも機会があればぜひ寄ってみてくださいね。
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