2013/11/08

気になる日本語 「よろしく、どうぞ」

この挨拶っていつからあるんだろ?


私は日本人として生まれて、これまで日本で育ち、今も何気ない日常を過ごしています。
そんな何気ない日常の中で時折気になることがあります。

それが他人の言葉遣い。

特に「違う地域の人」と話すとき、「違う年代の人と話す」とき、その人の使ってる言葉が気になるなんてことは、まぁそう珍しいこともありません。
言葉は生き物ですからね。

地域差世代差があるのは当たり前、そんな理屈は頭の中で分かっていても、どうしてもシックリ来ない言葉もあるわけで。
今日はそんな気になる挨拶について話していきたいと思います。


よろしく、どうぞって何やねん

「よろしく、どうぞ」

この言葉ほど、私のココロをモヤモヤさせる言葉はありません。

まず皆さんは「よろしくどうぞ」という言葉を聞いたことがありますか?
私はかれこれ20数年生きてきたなかで「よろしくどうぞ」という言葉はあまり耳にしたことはありませんでした。

まぁ、基本的に若者言葉じゃないですよね。
親や友人に使う言葉出ないことは確かです。

主に聞かれるのはビジネスの場とかでしょうか?



初めて聞いたのは、最初に就職した職場でした。
そこの上司の方が、電話などで会話しているとき、最後電話を切るときに「よろしくどうぞ」と付け加えていたことが私がこの言葉を意識しだしたキッカケではないでしょうか?

初めて聞いた時は「どうぞ、よろしく」を言い間違えたのかな?と思っていたのですが、それでも何度も繰り返し使用してたのでこれは言い間違えじゃなく意識して使っているなと思ったわけです。

しかし、なんでしょう?
この「よろしく、どうぞ」という言葉。

「どうぞ、よろしく」なら分かります。
もともと「どうぞ、よろしくお願いします」という言葉の後ろが略され「どうぞ、よろしく」となったわけですね。
日本人って結構こういう省略を使いますよね。

マクドナルドをマックとかマクドとかミスタードーナッツをミスドとか3文字~4文字省略に始まり、最近ではKYとかアルファベットでの省略も使われるようになりました。

らぬき言葉なんかはちょくちょくマナー講座なり、話し方の授業なんかで取り上げられますよね。
「食べられる」「見られる」なんかを「食べれる」「見れる」など「ら」を抜いて使う人が増えてるとかなんとか。

そんな何でもかんでも略すとは何事か!古き良き日本語をちゃんと使わないと!と思う人もいるかもしれませんが、例えば電話口で最初に話す「もしもし」という言葉もそもそもは「申します。申します。」の略ですよね。

言葉というのは生き物です。

その時々で様々な成長をし、色んな風に変化していくものだと私は思っています。
ですから、個人的にはその時代時代にあった言葉があるのも、悪く無いと思ってます。

最近のKYとかはまぁ現代のナウなヤングにバカウケなわけで、それが今後ずっと流行るかはわかりませんしね。


まぁ、そんな話は置いといて「よろしく、どうぞ」の言葉に戻りましょう。
これは先に上げた「どうぞ、よろしく」という言葉とは違います。

なぜなら「よろしくどうぞお願いします」なんて言いませんし、それは日本語としてもおかしいですし。


よろしく、どうぞのニュアンスを考える

私の中に眠るこのモヤモヤの正体を、少し客観的に考察してみてみましょうか。
まず「よろしく」「どうぞ」の意味を調べていきます。

「よろしく」という言葉は国語辞典で調べたら

1.ちょうどよいぐあいに。程よく。適当に。
2.人に好意を示したり、何かを頼んだりするときに添える語。
3. 「よろしくお伝えください」の意で、別の人への好意を伝えてもらうときに用いる語。

という意味があるそうです。
そして「どうぞ」は

1.丁重に頼んだり、心から願ったりする気持ちを表す
2.相手に物事を勧めたり、承知・許可を与えたりする気持ちを表す。
3.ある状態や行為を実現させたいという気持ちを表す。

という意味ですね。

そして、それらはいずれも単独で使うより、何かの意思を示す言葉に付けられるものです。
「どうぞ+お願いします」や「よろしく+お願いします」などなど。


しかし、「よろしく、どうぞ」というのはどうでしょうか?

ここでの「よろしく」というのはどうも2.3.などの何かを頼んだりするときに添える語や他の人に好意を伝えてもらうときに用いる語では無い気がします。
どちらかというと「程よく、適当に」とか言った意味を含む気がします。

そして「どうぞ」。
これも丁重に頼むとかいう意味より、「承知・許可を与えたり」「ある行為を実現させたい」というようなニュアンスではないでしょうか?

つまり、「よろしく、どうぞ」=「程よく、やっておいてくれ」的な意味に私はどうも聞こえてしまうのです。
つまり、そこには「お願い」という感謝があるのではなくある種の「押し付け」感をイメージしてしまうのです。

やってくれてありがとうの好意ではなく、ちゃんとやっておけよというある種の上から目線というイメージです。

実際、そう思う人は私以外にもいるらしくGoogle検索で「よろしく、どうぞ」という言葉を検索してみると違和感を感じるというページがいくつか出てきます。

そういういくつかのページを見ていると、この言葉を使うのは主に中年の方らしいですね。
つまり、今ではあまり使われなくなった言葉ということでいいんでしょうか?


前に古い方の「スペースコブラ」(ちょっと古すぎます?)のアニメを見てたときも、主人公のコブラが「よろしく、どうぞ」という言葉を使っていました。
1980年ごろのアニメなんでいまから30年くらい前では普通に使われてたんでしょうか?

しかし、そうだとしてもこれを例えば親しい人以外に使うのはどうかと思ってしまいます。
コブラが使う分には特に違和感は感じませんでしたが(だってコブラだし、宇宙海賊が相手に謙るなんてのもカッコ悪いですしねぇ)、それはあくまでもアニメ内の表現であり、コブラというキャラクターだから違和感ない、というかそのくらいフランクの方がコブラっぽいなぁと思えてきます。

ただ、それを現実でやられたら「おい、あんた何様だ?」とか思ってしまいます。
まぁ、そこまでは行かなくてもせめて「どうも」とか「よろしく」だけのほうが、マシに聞こえるのは私だけでしょうか?


私の身近でこの「よろしく、どうぞ」を使ってたのは、主に私の上司でしたが、その上司が社内の人間に使うのはまだいいでしょう。
問題は外部の人間、特に顧客などに使うのはやめて欲しいと思いました。

会話上では「いつもありがとうございます」とか言ってるのに、最後に「よろしく、どうぞ」って…・。
何か台無しな気分。
そこは「これからもよろしくお願いします」だとかせめて「はい、それでは」とかそういう感じの言葉の方がいいと思うんですけどねぇ。

あと、こちらに出入りする業者にも「よろしく、どうぞ」って言ってますが、そこも一言「いつもありがとう」だとか「どうもありがとう」だとか感謝の言葉を言ったほうがいいと思うんですけどね。

もちろん、そのつもりで言ってるかもしれませんが少なくとも私にはその意味には聞こえません。

とは言っても、別にそれに対して私が何か物申したことはありませんでしたが・・・。
それ以外にもいろいろあった方でしたし。

ということで、今日は私が普段過ごしてる中でちょっと気になった言葉についてでした。

なんでこの言葉にここまで引っかかったのかは分かりませんが、まぁ言いたかったことはこんな感じです。

それでは今日はこの辺で。
ゆう
ゆう

旅行とカメラが趣味のゆうが撮影した写真をただただ紹介するだけのブログです。頑張って更新していきます。

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