2016/10/08

九州旅行記 2日目 神々の住む島 大島と沖ノ島

さて、大島に渡り食事も済ませいざ宗像大社巡りをしようとしたところで生憎の雨に打たれることになったわけだが。
ここいらで少し宗像大社について説明しておこう。
宗像大社は宗像三女神を祀る宗像神社、厳島神社の総本社であり、この宗像市には3つの大社がありそれらを総じて宗像大社と呼んでいる。

具体的には沖ノ島の「沖津宮」、筑前大島の「中津宮」、田島の「辺津宮」であり、それぞれ
・沖津宮(おきつぐう):田心姫神
・中津宮(なかつぐう):湍津姫神
・辺津宮(へつぐう):市杵島姫神
が祀られている。


辺津宮は九州本土にあるので車ですぐ行けるが、中津宮と沖津宮は離島にあり、海を渡らなければ行けない。
また、沖津宮は「神の島」とも呼ばれ、島全体が御神体になっており今でも女人禁制、祭りの時期に限られた者のみが渡れる島となっている。
当然一般人の私たちは渡ることなどできず、今回は辺津宮と大島に渡り中津宮に行く予定だ。


宗像三女神についてあまり馴染みがないという方のためにもう少し宗像三女神について詳しく話しておこう。
スサノオと言えば日本神話の中でもかなり有名で知らない人はいないと思うのだが、彼のエピソードの中の一つにアマテラスとの誓約がある。

これはイザナギがスサノオに海原の支配を命じたところ、スサノオはイザナミに会うために黄泉の国に行きたいと駄々をこねる。
それに怒ったイザナギがスサノオを追放するのだが、追放されたスサノオは黄泉の国に行く前に姉のアマテラスに会っていこうと思い高天原のアマテラスの元へ向かう。
それを知ったアマテラスはスサノオが高天原を奪いに来たと思い、武具を携えスサノオを迎えた。

スサノオはアマテラスの誤解を解くために「誓約(宇気比、うけい)」をしようといった。
これはある事柄について『○○がそうであるならばこうなる。そうでないならこうなる。』と予め宣言を行い、その後何が起こるかで成否などを判断する儀式だ。
スサノオはアマテラスに「どうか姉上と共に誓約しましょう。誓約の中に、必ず子を生むことを入れましょう。もし私の生んだのが女だったら、汚い心があると思ってください。もし男だったら清い心であるとして下さい。」と宣言し、お互いの持ち物を交換し、それぞれ神を生み出した。

生まれた神は上の図の通り。
アマテラスがスサノオの持っていた十拳剣を噛み砕き、吹き出した息の霧から生まれたのが「宗像三女神」となる。
次にスサノオはアマテラスの持っていた勾玉を噛み砕き、吹き出した息の霧から5柱の男神が生まれることとなる。

これによりスサノオは自身の身の潔白を証明したわけである。
ただ、この誓約については色々面白い解釈があるのでぜひ調べてみて欲しい。

ただ、神社に行くだけならこのようなバックストーリーを知る必要もないが、個人的にはやはりその辺の話も踏まえた上でその地に赴いたほうがより楽しめると思っている。
ただ漠然と風景を見るのでなく、そこに秘められた思いも感じ取れれば、それはそれで素敵なことではないだろうか。


大島にある中津宮は港から徒歩5分ほどのところにある。
HPには駐車場なしと書いてあったが、目の前の公園にいくらでも車を停めるところがあったので雨が降っている状況ではとてもありがたい。


道路から階段を登り、鳥居の方まで参道が伸びる。
鳥居位を潜った先にはアーチ状の橋がかかり、そこを超えて更に急な階段を登った先に本殿がある。


鳥居付近は開放され見通しが良いのだが、そこからは鬱蒼と木々が茂る薄暗い森となる。


雨の日なので階段を踏み外さないよう1段1段慎重に登っていく。


すぐ止むかと思われた雨はどんどん勢いを増していった。


後ろを振り返るとこんな感じ。
こうして海がすぐそこに見える神社というのも中々趣があっていいものだ。


さて上まで登りきった。
降りしきる雨が写っているのがお分かりになられるだろうか?


個人的にはこのような雨の日に神社に行くのは嫌いではない。
むしろ神社は真っ青な空よりこのように少し薄暗いくらいの雰囲気のほうが合っているとさえ思う。


ただ機材が濡れるのだけは勘弁だが・・・。
さて、これが中津宮の拝殿である。


この神社も境内自体は狭いが結構雰囲気がいいところではないか。


晴れた日はまた違った表情を見せてくれるのだろう。
参拝を終え、一通り見た後は来た道を戻り次の目的地へと向かう。
次はグルっと島を回りちょうどフェリー乗り場の反対側、島の北側にある沖津宮遙拝所へと向かう。
大島の更に沖にある沖ノ島は女人禁制のため、女性は沖ノ島に上陸することすらできない。
そのため沖津宮へ参拝するための遙拝所が大島の北側、沖ノ島が見える位置に建てられているというわけだ。

ごく限られたものしか上陸できない沖ノ島。
それもまた神秘的でロマンを感じさせる。
ゆう
ゆう

旅行とカメラが趣味のゆうが撮影した写真をただただ紹介するだけのブログです。頑張って更新していきます。

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