2013/11/18
そろそろ紅葉の季節ですね。
北の方ではもうキレイな紅葉が山を彩ってることと思いますが、こちらももうそろそろ見頃になったころでしょうか。
そこで近所の「御嶽山 清水寺」にライトアップされた紅葉を見に行ってきました。
ライトアップは中々キレイなのですが、カメラで撮るのは結構難しいです。
そこで今回は撮ってきた写真を貼りながら夜景を撮るときの注意点などを書いていこうと思います。
夜景を撮るときに注意しないといけないのがやはり手ブレ。
そこで今回は手ブレが起こる原因とその対策を考えて行きましょう。
手ブレというのは主に「シャッタースピード」が遅いために起こるものです。
カメラを構える上で完全に手の震えを消すことはできません。
しかし、シャッタースピードが早ければカメラがブレるより早くシャッターが切れるためあまり手ブレが目立たなくなるわけですね。
上の写真はシャッタースピードを1秒で撮った写真です。
見事にブレてます。
基本的に手持ちの時にブレないようにするためのシャッタースピードは「1/レンズの焦点距離」と言われています。
つまり、焦点距離が50mmのレンズでは「1/50秒」以上で撮ればいいということです。
まぁ、あくまでも目安ですけどね。
つまり、広角のレンズはシャッタースピードが遅くても手ブレが目立たないという特性があるわけです。
というわけで、このような暗い場所では望遠レンズではなくできるだけ広角のレンズを使いましょう。
35mm換算で24mm前後がいいでしょうね。
APS-C機でしたら16mm~や18mm~からのズームレンズあたりになるでしょうか。
また、上の写真のようにアップで撮りたいという場合もあるでしょう。
その時はより寄れる、つまり最短撮影距離が短いレンズを使用するといいでしょうね。
しかし、それでもこの暗さでは思った以上に「シャッタースピード」を上げることができません。
そこで重要になってくるのがF値とISOなのです。
F値というのはレンズの絞り値のことで、この値が小さければ小さいほどレンズが取り込める光の量が多いことを示します。
なのでF値の小さいレンズは「明るいレンズ」といったりします。
普通、デジ一を買った時についてくるズームレンズは広角側でF3.5で望遠側でF5.6などの暗いレンズです。
しかし、レンズの中にはズームしてもF値が変わらず、更にF2.8という明るさを持つレンズなどもあり、こういった暗所では重宝します。
簡単にF値とシャッタースピードの関係を説明しておきますと、F値が1段上がる(明るくなる)とシャッタースピードは2倍早く撮れます。
つまり、明るいレンズは光を多く集めるので短時間のシャッタースピードでも写真が撮れるというわけです。
F値はF1、F1.4、F2、F2.8、F4、F5.6、F8、F11・・・というように上がっていきます。
1、2と段階的では無いので初心者の方には分かりにくいかもですね。
例えば、望遠側でF5.6のレンズとF2.8のレンズがあったとしましょう。
F5.6のレンズで写真を撮ろうとするとシャッタースピードは1/10秒と出たとします。
かなり遅いですね。
しかし、F2.8のレンズはF5.6より2段明るい値です。
するとシャッタースピードは2倍の2倍、4倍早く撮れるので1/40秒で撮影することが可能なのです。
シャッタースピードは1段上がると倍になるのでわかりやすいですね。
まぁ、F値の小さなレンズが凄いということが分かってくれたら幸いです。
次にISOについて話していきましょう。
ISOとは感度のことですが、この値が大きいほど高感度つまりは少しの光量で写真が撮れます。
これもF値と同じく、1段上げればシャッタースピードを倍にすることができます。
100、200、400、800、1600、3200、6400と言った感じに倍にしていくわけですね。
ただし、ここで気をつけないといけないのがノイズの問題。
カメラによっては感度を上げるとノイズが出てしまうことがあります。
ちょっと写真がザラついた感じになるこれ。
これがノイズです。
コンデジなどの素子の小さな機種はこのノイズが顕著で、ものによりますがISO800くらいから目立ってきたりします。
私の昔持ってたコンデジはISO400でも結構目立ちました。
ということで、もし夜景を撮影するなら高感度に強いカメラを持って行ってください。
基本的にカメラに使われてる素子の大きさがデカイほど高感度は強い傾向があるので、コンデジよりミラーレス、ミラーレスより一眼レフって感じですかね。
まぁ、最近はフルサイズの素子が使われたコンデジとかもありますけどね。
とまぁ、ここまでF値とISOのことについて話していきました。
とはいっても難しい!めんどくさい!
そう思った方もいるのではないでしょうか?
ええ、結構面倒です。
カメラというものは明るい場所で撮るときはどんなカメラでもある程度キレイな写真は撮れます。
しかし、カメラが苦手な場所となると機材そして撮影方法を選ばないとキレイな写真が撮れないんですよね。
しかし!
ここまで聞いてきて何か夜景を撮るのは難しいから嫌って方に朗報です!
世の中には難しい設定とか一切しなくてもそれを使うだけで夜景がキレイに撮れちゃう魔法のツールがあります。
それは・・・・「三脚」です。
カメラを固定しちゃえば、シャッタースピードがいくらだろうが関係ありません。
あなたはただシャッターを切るだけでキレイな夜景がブレなく撮れるわけです。
ですので、絶対夜景がキレイにしかも簡単に撮りたいという方は三脚を使用してみてください。
また、ここで三脚を使う時の注意点ですが、
・人混みなど人の多い所では人の邪魔にならないように気をつける。
・移動させるときは細心の注意を払う。出来れば折りたたんだまま運ぶ。
・セルフタイマーやレリーズケーブルを使用し、直接シャッターを切らない。
(シャッターを切った時にカメラがブレるのを防ぐため)
といった感じでしょうか。
三脚はとにかくデカイんで邪魔です。
人によっては何公共の場所にどうどうと三脚構えて場所を占拠してんだよ!と思う方もいるかもしれません。
ですので、使う際は周りに注意を払って決して他人の迷惑にならない撮影を心がけてください。
ということで、ここでおさらい。
夜景を撮るときは、
「手持ちの時」
・明るい(F値の小さい)レンズを使用する。
・できるだけ広角レンズで撮影する。
・手ブレ補正のあるレンズを使用する。(今回話題にしませんでしたが、あるなら使いましょう。)
・高感度(ISOを上げてもノイズの出にくい)カメラを使用する。
「三脚を使用する時」
・直接シャッターを切らず、セルフタイマーやレリーズケーブルを使用する。
・できるだけISOは低めに設定する。
とまぁこんな感じですね。
とはいえ今回は私は三脚は持って行きましたが車からは出しませんでした。
というのも三脚を使用した撮影はどうしてもテンポが落ちます。
今回は私だけじゃなく家族も一緒に行っていたので撮影にそこまで時間をかけれなかったわけですね。
ですので今回は全部手持ちです。
まぁ、言ってしまえば手持ちでも今回貼っている写真くらいは撮れると思っていただけたら幸いです。
今回使用した機材は
ボディ:D700
レンズ:SIGMA 12-24mm F4.5-F5.6
SIGMA 24-70mm F2.8
です。
レンズはいずれもシグマの一つ古いレンズですね。
今回は広角と明るいレンズで攻めて見ました。
あとは撮影設定をいくつか紹介していきましょう。
レンズ:12-24mm F4.5-F5.6
焦点距離:24mm
F値:5.6
SS(シャッタースピード):1/10
ISO:3200
何かにもたれかかったり、しっかりホールドしながら撮れば1/10秒程度でもなんとか撮れます。
これが手ぶれ補正ありのレンズでしたらもっと簡単ですね。
最近の手ぶれ補正は4段分、つまりシャッタースピードが16倍ほど稼げるわけです。
つまり、1/10秒で撮っても1/160秒で撮るような感じですね。
コレは凄い!!
レンズ:12-24mm F4.5-F5.6
焦点距離:24mm
F値:5.6
SS(シャッタースピード):1/45
ISO:3200
また、今回使用したD700は一昔前なら高感度番長としてその名を知らしめていた名機ですね。
フラグシップモデルのD3sほどではないですが、無理に画素数を上げず画素素子を1200万画素に抑えることで連写性能と高感度性能を高めたNikonのフルサイズデジタル一眼レフカメラです。
ISOをオートにして最高6400までに設定しておけば暗所でもバンバン撮影できて安心感がありますね。
また、夜間撮影の際は光源によっては撮った写真と目で見た風景の明るさがかなり違ってくるときもあります。
明らかに明るめになった場合は露出補正を使いましょう。
露出補正を-することで暗めに撮影することができます。
そうすることでシャッタースピードも早くすることができますので、シャッタースピードが遅い場合も使ってみてください。
ちなみに上の写真は露出補正を左から-1、0、+1としています。
目で見た感じでは-1が一番近い感じでしょうか。
レンズ:12-24mm F4.5-F5.6
焦点距離:12mm
F値:8.0
SS(シャッタースピード):1/8
ISO:1600
こう全体に広がっている風景を撮るときはやはり超広角がいいですね。
焦点距離も12mmなのでしっかり構えてとれば1/10秒程度でもぶれずに撮ることができます。
ですが、広告の写真みたいにクッキリハッキリキレイに撮りたいときは三脚を使って絞って撮ってくださいね。
上の写真も微妙にブレてますから。
レンズ:12-24mm F4.5-F5.6
焦点距離:24mm
F値:5.6
SS(シャッタースピード):1/15
ISO:6400
また、構え方にもいくつかコツがあります。
しっかり脇を締めてできるだけ固定して取るのはもちろんですが、もし構図にそこまでコダワリが無ければカメラを両手で抱えるようにして持ち、お腹に押し付けながら撮るとより固定して撮れます。
その際、ストラップを首から下げ伸ばした状態にしとけばストラップと手と腹、3点で固定できるのでいいですね。
ようはウエストレベルファインダーを使用するときのように使うわけです。
デジカメは撮った写真をその場で確認できるので何度も撮り直せるのでオススメの撮り方ですね。
レンズ:24-70mm F2.8
焦点距離:40mm
F値:2.8
SS(シャッタースピード):1/30
ISO:3200
明るいレンズはシャッタースピードを稼げるだけでなく、背景がボケやすいので被写体をより強調することできますね。
上の写真では手前の紅葉に焦点を合わせ、それを見上げる少年とそしてその背景がボケた感じに写しています。
少年の顔は後付でボカしてますけどね。
レンズ:24-70mm F2.8
焦点距離:70mm
F値:2.8
SS(シャッタースピード):1/350
ISO:3200
明るいレンズも手ぶれ補正のレンズもないけど高いレンズは買い足せないといった場合、おすすめなのが単焦点レンズです。
焦点距離は固定されますが、単焦点レンズはF1.8など明るいものが2万円前後から購入出来ます。
もし、どうとってもブレてしまうってときは考えてみてください。
これからの季節はイルミネーションで街も彩られる季節です。
イルミネーションとかは思いっきり絞って撮ると光源が絞りの形になりとても美しく写ります。
三脚が必須ですけどね。
みなさんも寒いですが、夜の街に繰り出してみてくださいね。
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