面白いチラシを見つけたので今日はその話をしたいと思います。
それは某自動車メーカーの広告です。
最近流行りの電気自動車についてかかれてますね。
補助金とか結構出たり、1回の充電は300円ですんだりと結構お得!ってことを強調しています。
そして極めつけが下のガソリン車との燃費比較です。
1000kmあたりの燃費は電気自動車が「1,320円」、ガソリン車が「7,750円」とあります。
ガソリン車の方の燃費をリッター20kmとしたり、ガソリン代を155円/Lとしたりこのへんは結構ガソリン車側にとっても甘い計算ですね。
それでも1000kmあたり「6,430円」の差ができるわけです。
そして続いては年間維持費について。
電気自動車は、300円(1回あたりの給油金額)×26回=7,800円
とあります。
そしてガソリン車は、6,975円(45L×155円)×26回=181,350円
となってます。
そして1年辺り、電気自動車の方が「約17万円お得!!」とあるわけです。
これなら6年間のれば約102万円お得になり、ガソリン車とくらべても十分元をとれるといいたいわけですね。
・・・ほんとうにそうですか?
これをみてなにかおかしいと思ったあなた。
あなたは物事の本質を見極めれる目をもっているかもしれません。
わお!電気自動車かなりお得じゃん!と思ったあなた。
もう一度よく考えていきましょう。
上の1,000kmあたりの燃費は問題ないでしょう。
まぁ、あえて言うなら1,000kmで「6,430円」の差がでるわけですから、1万キロで「64,300円」、10万キロで「643,000円」の差額ができますよね。
ん?10万キロ走っても約60万円の差額??
下では6年で102万円の差額と言ってるのに?
何がおかしいか分かりましたか?
下の年間維持費は「走行距離」を全く考慮していないのです!
電気自動車は全補給で約230km走れます。
ガソリン車は45Lの給油タンクでリッター20kmと書いてありますから、約900km走れますよね。
しかし、広告の下の年間維持費はどちらの車も2週間に1回の給油で計算してるのです。
ということは、電気自動車は2週間で230kmしか走らないのに、ガソリン車は2週間で900km走っているのです。
すると、年間走行距離は電気自動車は230km×26=5,980km
ガソリン車は900km×26=23,400km
どうですか?
これが公平な比較と言えるでしょうか?
では、私が公平な1年間の年間維持費を出してみましょう。
年間走行距離はあまり走らないことを考えて1万キロとしましょうか。
そうすると、電気自動車の場合、1万キロ÷230=約43回の補給
よって、300円×43=12,900円となります。
ガソリン車の場合、1万キロ÷900=約11回の補給
よって、6,975円×11=76,725円となります。
よって、年間維持費の差額は「63,825円」となります。
もし、広告通り約18万円の差額を出そうとするなら3年間乗り続ける必要があります。
102万円の差額を出そうとすると約16年かかるのです。
まぁ、こんな数字だしても売れませんね。
ですが、ある意味ごまかしに近い数字をどうどうと広告に出すのはいかがなものかと思います。
確かに現状では電気自動車はまだあまり普及してないでしょう。
充電に時間がかかったり、航続距離が230kmと短く遠出できなかったり、車両価格自体高かったり。
しかし、これも1つの可能性として私は電気自動車自体を否定する気はありません。
何事も出だしのころは技術が足りなかったり、社会基盤が劣っていたりするものです。
ですので、こういうごまかしなどせずちゃんとした数字を出して勝負をしてもらいたいものです。
というわけで今日はこの辺で。
どうでしたか?
このような数字のトリックは日常のいたるところで使われております。
みなさんも表面上のデータを見るだけでなく、その意味までぜひ考えてみてくださいね。
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