★Carl Zeiss Flektogon 35mm F2.8★
~ 常に世界の最先端へ
光学世界のパイオニア Carl Zeiss Lens~
今回はこの前言っていた通り、新しいレンズの紹介をしていきます。
そのレンズとは前から欲しかったあの「Carl Zeiss」のレンズです。
まず、レンズの話に入っていく前にレンズメーカー「Carl Zeiss」について少しお話して行きましょう。
~カール・ツァイスの歴史~
カール・ツァイス社は1846年、カール・フリードリヒ・ツァイスによって設立されました。
カール・ツァイス社はドイツのイェーナで創業され、カール・ツァイスの死後その運営は「カール・ツァイス財団」によって運営されることとなります。
創業時から数々の光学機器を開発・生産し、世界から認められる一大企業となります。
また、その評価を聞きつけ多くの優秀な人材が集まることとなりました。
19世紀末から軍事や医学、その他専門分野においても最高の性能を備えたカール・ツァイス製品が使われることとなります。
第二次世界大戦末まで、カール・ツァイスは世界の最先端を走る光学機器会社として君臨していました。
ですが、ドイツが敗戦したことによりカール・ツァイスは多大な影響を受けることとなります。
敗戦後、ドイツは東西分断だされましたが、カール・ツァイスのあるイェーナはドイツ東部にありソ連統治下に置かれました。
しかし、アメリカ軍はカール・ツァイスの光学技術をソ連に渡すことを阻止するために、ソ連軍に先んじてカール・ツァイスの光学技術者とその家族を半ば強制的に西側のオーバーコッヘンに移動させ、「ツァイス・オプトン」として光学機器の生産を担いました。
残されたイェーナの工場はソ連に接収され、残った技術者もソ連に送られました。
そして東側のツァイスは「人民公社カール・ツァイス・イェーナ」として再設立することとなります。
その後、ベルリンの壁が崩壊しドイツ再統一が起こるまで、世界には2つのツァイス社が存在することなり、どちらがツァイスの商標の権利を持つかで長年に渡り裁判で争われることとなりました。
現在では、経営に行き詰まった東ドイツの「ツァイス・イェーナ」を西ドイツの「ツァイスオプトン」が吸収する形で1つのカール・ツァイス社となっております。
そいうわけで数奇な運命をたどったカール・ツァイス。
そのレンズも昔のものを買うときはそれがどこで作られたかというのも結構重要になってくるわけですね。
今回買った、「Carl Zeiss Flektogon 35mm F2.8」は「Carl Zeiss Jena DDR」と書かれていますので、旧東ドイツにあった「ツァイス・イェーナ」製ということになります。
ドイツが統一されたのは、私が生まれてすぐなので私の中の感覚ではドイツはドイツなのですが、東西分断時代、東ドイツと西ドイツにそれぞれ特色が合った時代を感じさせるレンズなのかもしれません。
では実際にレンズの方を見ていきましょう。
レンズ名:Flektogon フレクトゴン
焦点距離:35mm
F値:F2.8~F22
最短撮影距離:18cm
マウント:エキザクタ
とまあ、東ドイツ製「ツァイス・イェーナ」の広角レンズ「フレクトゴン」3兄弟の長男坊になります。
え?何いってんの?って感じですが、東西わかれたツァイスはお互い別々のレンズブランドを作っていくこととなります。
レンズブランドをというレンズ名というか。
日本ではその会社のレンズを総じて「ニッコール」やら「ズイコー」、「フジノン」などなど言いますが、海外はレンズそれぞれに名前があります。
ライカなら
・エルマー
・エルマリート
・ズマール
・ズミタール
・ズミクロン
みたいな感じで。
それぞれレンズに名前があって特徴があります。
カール・ツァイス製レンズも
・テッサー
・プラナー
・ゾナー
・ホロゴン
・ビオゴン
などなど。
レンズに個性があるのも海外レンズの特徴ですね。
そして今回の「フレクトゴン」は東ドイツ製の広角レンズの総称となります。
それぞれ
・フレクトゴン 20mm F4
・フレクトゴン 25mm F4
・フレクトゴン 35mm F2.8
となり広角三兄弟と呼ばれたり呼ばれなかったり。
ちなみに西ドイツ「ツァイス・オプトン」では広角レンズ「Distagon ディスタゴン」を販売しており、今のツァイスで売られているのはディスタゴンの方ですね。
色んなマウントがあるカール・ツァイス製レンズですが今回買ったのは「エキザクタ」マウントというもの。
正直、聞いたことなかったマウントなんですが使えりゃ別になんでもいいんです。
ちなみにこのマウントの特徴としてレンズサイドに上にあるようなボタンが付いており、これを押すことで絞りが絞られ、ボディ側についたシャッターボタンと連動し撮影ができるそうな。
なんか面白い機構ですね。
ちなみに上のような状態ですと、ボタンを押すまで常に開放状態。
ボタンを押し込んで少し回してやるとボタンが押し込まれたまま固定されるので、そこで絞りをいじれば通常のレンズと同じように使用できます。
マウントは電子接点のない時代のシンプルなマウント。
後玉もキレイですね。
そしてこのレンズの最大の特徴ともなるのがその最短撮影距離!!
最短撮影距離18cmということでマクロ的な撮影も可能です。
まぁ、それがどの程度まで拡大して撮れるのかは撮ってみてのお楽しみ。
その代わり、最短撮影距離で撮影するときは、前玉が結構飛び出ます。
また、開放F値はF4になります。
今回これらのレンズはNEX-6で使うつもりなのでいっしょにマウントアダプタも買いました。
マウントアダプタは各社いろんなとこから出ており、値段もまちまちです。
あまりに安いのは装着具合が悪かったりするのでオススメはできませんが、今回私はヤフオクで3500円くらいのを買いました。
これもそう高いほうではないのでちょっと心配でしたが、問題なく使用できます。
このようなオールドレンズを他のマウントで使用する場合は、このようにマウントアダプタを組み合わせて使うことになります。
特にNEX-6のようにミラーレス機はもともとフランジバック(レンズとフィルムとの距離)が短めなのでいろんなマウントをアダプタを介することで使用することができます。
私は他にニコンのボディもありますが、ニコンはフランジバックが長めなので、他社のレンズを使用すると無限望が出ず、近距離撮影専用になるのでそういった意味ではNEXシリーズなどは優秀なマウント遊び用カメラとなります。
ですが、せっかくのコンパクトな単焦点もこのように大きくなってしまいますので、NEXシリーズの利点であるコンパクト性が失われるのはちょっといかがなものですが…。
ですが、比較的ボディの価格が安く、素子もデカイので35mm換算値が低めなのもNEXの利点ですね。
一番いいのはフルサイズ機での使用でしょうが、コンパクトなフルサイズ機は今はまだあまりありませんからね。
特にミラーレスにはまだフルサイズはありません。
次に大きい素子であるAPS-Cなら35mm換算で1.5倍されますが、他に主流のm4/3なら換算2倍になるので、広角側を使うならAPS-Cを搭載したボディを使いたいですね。
というわけで、うんちくはこのへんにしておいて実際の写りを見ていきましょう。
35mmなのでNEX-6に装着した場合、35mm換算で約50mmの単焦点レンズとなります。
いわゆる、標準レンズですので使用する上ではかなり使い勝手がいいと思います。
ここまで寄れるのはいいですね。
いい意味で予想外です。
写りもいいですし付けっぱなしにしといても問題ないくらいの汎用性でしょうか。
こういう色味と言いますか空気と言いますか。
なんかオールドレンズって感じがしますねぇ。
今後は家の周りだけじゃなくもうちょっと遠くに行っていろいろ撮影してみたいと思います。
しかし、流石はカール・ツァイスレンズ!
解像度や色味、すべてが違いますね。
使ってるのがとっても楽しい1本となりました。
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